―― 3D V-NANDは今後、どのように進化していくのでしょう。

岡田氏「3D V-NANDについては、今後も速いペースで進化させていきます。2013年に発表した第1世代の3D V-NAND『V1』は24層でしたが、今回850 PROに搭載されている3D V-NANDは第2世代の『V2』で、積層数が32層に増えています。

来年(2015年)には、さらに積層数を増やした『V3』が登場する予定です。積層数をどこまで増やせるかという限界はまだ分かりませんが、少なくとも100層くらいまでは増やせる目処が付いています。

積層数が増えれば、それだけ大容量化が可能になるので、容量あたりの単価を下げることができます。『V3』の3D V-NANDでは、1チップあたり256Gbitの大容量を実現する予定ですので、500GBクラスのSSDも、より手頃な値段となります。ノートパソコンなどは、一気にSSD化が加速するでしょうね。」

―― 世代が変わると、積層数が増えるわけですね。

岡田氏「今後しばらくは、プロセスルールを変更せずに、積層数を増やすことで3D V-NANDを進化させていきます。プロセスルールをシュリンクして大容量化を実現するというのは、信頼性や性能、製造面で限界を迎えつつありました。サムスンでは、数年前から3D V-NANDで行くと決めて、一気に立ち上げています。」

―― 従来型の2D NANDでは、13nmプロセスくらいが限界じゃないかといわれていますよね。

岡田氏「実際に13nmで作れたとしても、それがコストに見合うのか、信頼性をどうやって確保するのかという話なんですよね。現在、NANDフラッシュメーカーの数が淘汰されてきており、SSD市場においても、NANDフラッシュメーカーの存在感が高まっています。つまり、NANDフラッシュの特性に合わせたコントローラーやファームウェアの作り込みをしていないと、なかなかいいSSDができないということでもあるんですね。」

第5世代のコントローラ「MEX」は、コアクロックが400MHzのトリプルコアCPUを搭載している

コントローラーの自社開発にこだわる

―― サムスンは、SSDコントローラーを自社ですべて開発していることも特徴ですよね。

岡田氏「はい。NANDフラッシュの性能を最大限に活かすためには、自社で専用のコントローラーとファームウェアを開発することが重要です。コントローラーを新しく作るには莫大なコストもかかりますが、そこにはこだわっています。」

850 PROと850 EVOは相当な自信作

Samsung SSD 850 PRO

―― 850 PROは、3D V-NANDを採用したことが最大のウリですが、他にも進化した点はありますか?

岡田氏「消費電力が思いっきり下がっているのが、大きな特徴です。今回、2mWというデバイススリープモードを完全サポートしました。従来の840 EVOでは、mSATA対応製品だけがデバイススリープモードをサポートしていましたが、今後はすべてのフォームファクターでデバイススリープモードをサポートします。」

―― 今後のSSD市場はどうなるとお考えでしょうか?

日本サムスンの岡田圭介氏

岡田氏「ここ数年でSSD市場が大きく成長しましたが、日本ではまだまだ成長の余地があると思います。日本におけるSSDのアタッチレート、つまりパソコンのSSD装着率ですね。それが現在でもまだ10%程度のレベルです。

以前にも申し上げたように、一度でもSSDの速度を体験すると、もうHDDには戻れないものです。特に毎日パソコンを長時間使うオフィスでは、1日も早くSSDに替えないと、本当にもったいないくらいです。今までは、ゲーマーや自作パソコンユーザーの方が中心でしたが、これからはオフィスのパソコンが急速にSSDへシフトしていくことでしょう。」

―― SSDへの3bit MLCや3D V-NANDの採用について、サムスンは常に他社の先を行っていますよね。

岡田氏「日本のお客様は、技術に裏付けされた性能や価値を認めてくださっていると思います。我々はテクノロジーをしっかり紹介して、納得してから買っていただきたいと考えています。前シリーズの840 PRO/EVOも自信作でしたが、今回の850 PRO/EVOは、必ずご満足いただけると思っています。」

―― ありがとうございました。

(マイナビニュース広告企画)

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