プロセッサやメモリの処理能力の違いを見てみよう

それでは、“Haswell-E”Core i7-5820Kと“Haswell Refresh”Core i7-4790の違いをベンチマークで確認していこう。まずはWindows7の動作の指針である、Windows エクスペリエンス インデックススコア。グラフィックスカードやHDDはほぼ同じパーツを搭載しているため、プロセッサとメモリの項目に注目しよう。結果は、プロセッサは同様、メモリはHaswell-Eが0.1高いという数値となった。やはりメモリコントローラの変更による速度差はベンチマークでもはっきりと反映される。7.9はWindows7での上限値となるため、実際はもっと差が生まれている可能性があるだろう。

Core i7-4790のWindows エクスペリエンス インデックススコア

Core i7-5820KのWindows エクスペリエンス インデックススコア

続いて「GeekBench」と「CINEBench R15」にてプロセッサの処理能力の差を確認しよう。両数値からわかることは、シングルコアあたりの性能は動作クロックの高いCore i7-4790の方が上だが、マルチコアとなるとCore i7-5820Kのスコアが優位という点だ。しかも、ただ単にコア数のぶんだけ増えているわけではなく、効率の良い数値の上昇が見て取れる。Core i7-5820Kは、複数のスレッドを並列処理できるアプリケーションならその処理能力をさらに活かせると考えて良いだろう。

Core i7-4790の「GeekBench 3」スコア

Core i7-5820Kの「GeekBench 3」スコア

Core i7-4790の「CINEBENCH R15」スコア

Core i7-5820Kの「CINEBENCH R15」スコア

SiSidtwareの「SANDRA 2014」を利用した、メモリ速度の違いは以下のようになる。帯域はいずれの項目もはっきりとした違いを示しており、メモリアクセスにおけるDDR4とクアッドチャネルの優位性は明らかだ。

Sandra・ベンチマーク

写真上段がDDR4メモリ、下段がDDR3メモリ。切り込みやピン数などが異なる

エンコードやゲームベンチで差は表れるのか

次に、PCゲームのベンチマークと動画のエンコードを試してみよう。まずは「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」の結果だが、GPU性能の影響が大きいようで、同じグラフィックスカードを搭載した2台ではほぼ差が無い。むしろ動作クロックの高いi7-4790が若干数値が高い。マルチスレッドに最適化されたタイトルではまた別の結果が出ると思われるが、現状のゲームタイトルの多くは同じような傾向になりそうだ。

ファイナルファンタジーXIVベンチマーク:1280×720の結果。左がCore i7-4790、右がCore i7-5820K

ファイナルファンタジーXIVベンチマーク:1920×1080の結果。左がCore i7-4790、右がCore i7-5820K

動画のエンコードテストには「TMPGEnc Video Mastering Works 5」を利用し、5分42秒・1440×1080のTSファイルを、1920×1080のMP4ファイルに変換する時間を計測してみた。こちらの結果はCore i7-4790の12分39秒に対し、Core i7-5820Kが8分12秒とコア数に準じた大幅な時間短縮が確認できる。やはりコアを活用できる処理では強い。

i7-4790にてTSファイルをMP4ファイルにエンコードした結果

i7-5820KにてTSファイルをMP4ファイルにエンコードした結果

用途に合わせた綿密な製品選択が求められるHaswell-E搭載機

ベンチマークでの結果は、処理能力の向上が期待できる点と、あまり変わらない点がはっきりと表れる形となった。冒頭で触れたとおり、Haswell-Eを選択する場合は、それぞれのモデルの特徴と、Haswell Refreshの特徴を踏まえ、綿密に製品を選択する必要が有るだろう。eX.computerではいずれのモデルも用意されており、またそれぞれ特徴に合わせた標準構成を採用している。使用するアプリケーションに合わせ、各モデルの仕様をじっくりと見比べて製品を選ぶことで、6/8コア、DDR4メモリ、PCI-Express40/28レーンという特徴を活かした最高性能を手にすることができるだろう。

i7-5820Kを搭載した試用機のタスクマネージャ。12スレッドは圧巻だ

詳細スペック

Haswell-E 試用機

型番 AeroStream RA9J-K62/XE (カスタマイズモデル)
CPU Intel Core i7-5820K (定格3.3GHz、TB時最大3.6GHz)
チップセット インテル X99 Express (ASUS X99-S)
メモリ PC4-17000 DDR3 16GB (4GBx4) crucial製
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 750 (ZOTAC ZT-70701-10M)
ハードディスク HDD 500GB / SerialATAIII (TOSHIBA DT01ABA050V)
光学ドライブ DL対応 DVDスーパーマルチ
電源ユニット CWT製 GPK650S (定格650W)、80PLUS BRONZE認証
ケース eX.computerオリジナル ATXミドルタワー(EX1/598TA)
OS Windows 7 Professional 64ビット
構成価格 149,800円(税込・2014年8月上旬現在)

Haswell Refresh 試用機

型番 G-GEAR GA7J-C61/E
CPU Intel Core i7-4790 (定格3.6GHz、TB時最大4.0GHz)
チップセット インテル H97 Express (GIGABYTE GA-H97-HD3)
メモリ PC3-12800 DDR3 8GB (4GBx2) SanMax製
グラフィック NVIDIA GeForce GTX 750 (ZOTAC ZT-70701-10M)
ハードディスク HDD 1TB / SerialATAIII (TOSHIBA DT01ABA100V)
光学ドライブ DL対応 DVDスーパーマルチ
電源ユニット CWT製 GPK500S (定格500W)、80PLUS BRONZE認証
ケース G-GEARオリジナル ATXミドルタワー(62R3)
OS Windows 7 Home Premium 64ビット
構成価格 94,800円(税込・2014年9月上旬現在)

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