Core i7-5820Kを搭載した試用機をチェック

今回は、Haswell-E搭載ラインナップの中からCore i7-5820K搭載機をお借りすることができたので、さっそくチェックしていってみよう。ハードウェア構成は「エアロストリーム RA9J-K62/XE」をベースに今回のレビュー用に用意していただいた仕様で、ケースはAeroStreamの大型ミドルタワーケース「EX1/598TA」となっている。Core i7-5820K搭載機は「AeroStream」、「G-GEAR」両シリーズに存在しており、「G-GEAR」シリーズでのケースは「62R3」になる。「EX1/598TA」は幅・奥行・高さいずれも「62R3」より一回り大きいが、ケース側面のエアホールにファンを取り付けることができ、防塵フィルターまで備えているという特徴がある。一方「62R3」は幅がスリムで、前面がメッシュ加工となっており、エアフローに優れる。用途に合わせて選択したいところだ。

AeroStreamのケース「EX1/598TA」が採用された試用機の前面。ストライプ加工が施された個所にはファンが取り付けられており、カバーを取り外すことでフィルターを掃除できる

試用機の背面。電源ユニットや12cmファンとケースの対比で、大きさが把握できる。スタンダードな配置のため、ケーブルの接続などに戸惑うことは無いだろう

試用機の左側面の様子。エアホールとフィルターが設けられており、ファンの取り付けも可能。専用のプラスチックカバーは横にスライドさせるだけで簡単に取り外せる

左側面パネルを取り外した内部の様子。ケースサイズに余裕があるため、内部は思いのほかすっきりとまとまっている印象だ。エアフローで困ることは無いだろう

拡張性に優れるASUS「X99-S」をマザーボードに採用

マザーボードにはASUS製の「X99-S」を採用。ASUSのWebページからは確認できないモデルなので、OEM向けのカスタマイズモデルと思われる。白を基調としたヒートシンクカバーやシールドが印象的なX99-Sは、ボード上の構成を見る限り「X99-DELUXE」に近く、単体でも“欲しい”と思ってしまう魅力的なモデルだ。ボード下部には電源やリセットボタン、マルチGPU用のスイッチなどを備え、ハイエンドらしい多機能さがうかがえる。メモリはDDR4スロットが8基。スロット形状も変更になっており、DDR3メモリを挿すことはできない。メモリスロットの横には縦に挿し込むM.2インタフェースを備えている。PCI-Express x4に接続することで、本来の仕様である10Gb/sを超えた、最大32Gb/sでのアクセスが可能。対応したSSDを用意すれば最速クラスのストレージとして運用できるだろう。さらにSATA3.0コネクタ×8、SATA-Expressコネクタ×2というハイエンドならではの拡張性を有しており、ストレージへの対応は万全だ。3.5インチベイは脱着式ホルダを利用してHDDなどの取り付けを行う方式を採用している。取り付けは左側面より行うが、ケーブルを接続する際にはケースの右側面も開ける必要があるため、無理に引き出したりしないよう注意したい。

搭載されているマザーボードは、ASUS製の「X99-S」。5万円近い価格で販売されている「X99-DELUXE」から一部のデバイスを省略したようなモデルだ

DDR4メモリスロットは左右に8基用意。またPCI-Express3.0x4接続のM.2インタフェースも搭載している。縦方向に挿入する特殊な形状で、専用の取り付け金具が付属する

ハイエンドモデルだけに、SATA3.0コネクタ×8、SATA-Expressコネクタ×2と豊富なストレージ端子を備える。多数のSSDやHDDを搭載したい人にはうってつけだ

脱着式ホルダを採用した3.5インチベイ。左側面から取り外しを行えるが、接続端子は右側面を向いているため、脱着時は左右両方のパネルを開ける必要がある

「RA9J-K62/XE」に搭載されたパーツを見てみよう

バックパネルはUSB端子を中心とした構成となっており、USB3.0×8、USB2.0×2、ギガビットLANポート、光出力端子付きのHDオーディオ端子を搭載している。(自己責任となるが)オーバークロックを楽しむユーザーに向けて、BIOSリセットボタンを備えているのも特徴だ。LANコントローラには、安定性と低消費電力で人気の高いIntelのI218-Vを採用。またHDオーディオ端子には金メッキが施されているため、端子の劣化を防いで音質を長期間維持できそうだ。電源ユニットはCWT製の650Wモデルが選択されている。あまり耳慣れないかもしれないが、実はCorsairやThermaltakeなどの有名どころに電源をOEM供給しているメーカーだ。80PLUS BRONZEを取得しており、省電力にも貢献してくれるだろう。

バックパネルの様子。PS/2ポートなどは搭載しておらず、USBを中心とした構成だ。LANコントローラはIntel 218V。BIOS用のボタンも備えている

有名メーカーにOEM供給を行っているCWT製の650W電源ユニットを採用。80PLUS BRONZEを取得しているため、効率良く電力を消費できそうだ

メモリスロットに取り付けられているDDR4メモリはCrucial製が採用されており、速度はDDR4-2133。1枚当たり4GBの容量を備え、このメモリを4枚使用して計16GBをクアッドチャネルで搭載している格好だ。メモリチップの実装は片面のみとなっており、裏側にはなにも取り付けられていない。グラフィックスカードはi7-5820K同様となるZOTAC製のNVIDIA GeForce GTX750。HDDも同じく東芝製で容量は1TBだ。

Crucial製のDDR4-2133メモリを4枚搭載。容量はそれぞれ4GBとなっており、クアッドチャネル動作で16GBを使用できる

グラフィックスカードはZOTAC製のNVIDIA GeForce GTX750。後述するCore i7-4790搭載機も同様だ

試用機のHDDは東芝製となり、容量は500GB。BTOオプションでより大容量なものも選べる。SSDが必要ならカスタマイズで追加しよう

Haswell Refresh搭載機「GA7J-C61/E」の仕様を確認

比較機として“Haswell Refresh”Core i7-4790を搭載した「G-GEAR GA7J-C61/E」もお借りした。ケースは「62R3」となっており、CPU、マザーボード、メモリ以外のスペックはCore i7-5820Kを搭載した試用機とほぼ同等だ。仕様にも簡単に触れておこう。CPUには“Haswell Refresh”ことCore i7-4790を採用し、DDR3-1600メモリを8GB搭載している。マザーボードはGIGABYTE製のGA-H97-HD3となり、チップセットはH97 Expressだ。9シリーズの標準的な構成といえるだろう。グラフィックスカードはZOTAC製のNVIDIA GeForce GTX750。カードの幅が短いため、ケース内には余裕がある。HDDは、東芝製の7200rpmモデルとなり、容量は500GBだ。電源ユニットはCWT製の定格500WのモデルであるGPK500Sとなる。

“Haswell Refresh”ことCore i7-4790を搭載したG-GEAR「GA7J-C61/E」前面パネルのメッシュが印象的だ

GPUを内蔵しているため、バックパネルには映像出力端子が。ただしグラフィックスカードを搭載しているため、封がされている

サイドパネルにはエアホールを備えている。ファンの取り付けなどは考慮されていない、シンプルな通気口だ

チップセットはH97 Express。GIGABYTE製のGA-H97-HD3を採用しており、PCIスロットも2基備えている

メモリスロット形状は見慣れたDDR3対応のもの。X99-Sのスロットを見た後だと余裕をもって設置されているように見える

SanMaxテクノロジーズ製のDDR3-1600メモリを2枚採用。容量はそれぞれ8GBとなり、計16GBが搭載されている

次ページでは、ベンチマークソフトを利用してこの2台の処理能力の違いを詳しく見てみよう。