作業しやすく拡張性も十分なケース

Magnate GEもGALLERIA XT-MもともにMicroATXサイズのPCということで、一見すると同じようなマシンに思われるかもしれないが、やはり価格なりの違いはある。まず、外見でわかるフロントパネル部分では、USBポートおよびヘッドフォン出力・マイク入力を搭載するのは共通だが、GALLERIA XT-MはさらにSDメモリカードリーダーが追加されている。このカードリーダーはmicroSDカード専用スロットも備えており、携帯電話などで利用されるmicroSDカードもアダプターなしでそのまま使える。また、前面USBポートもGALLERIA XT-MのみUSB 3.0対応となっている。

カードリーダーとUSB 3.0対応の点でGALLERIA XT-M(右)のほうが、若干高機能なフロントパネル

背面端子では、GALLERIA XT-MのみPS/2ポートを2つ搭載しており、PS/2接続のキーボードとマウスの両方を使用できる。付属のキーボードやマウスはUSB接続だが、現在でも同時押しや連打時の反応などを理由に、一部のゲーマーはPS/2接続のデバイスを愛用しているため、ゲーミングPCではPS/2ポートのフルサポートはしばしば問われることのあるポイントである。また、GALLERIA XT-MではDisplayPortによるディスプレイへの接続が可能となっており、4K(3840×2160ドット)など超高解像度ディスプレイの能力もフルに引き出すことができる。

GALLERIA XT-M(右)はキーボード、マウス双方用にPS/2ポートが用意されているほか、DisplayPortも搭載

メンテナンス時に必ず開けるサイドカバーだが、これを止めているネジもGALLERIA XT-Mは手回し式のものを採用しており、プラスドライバーを用意しなくてもオープン可能。GALLERIAではより積極的にマシンをいじるユーザーを想定しているのだろう。もっとも、前ページで見たようにMagnate GEでも内部のスペースは広く確保されており、搭載可能なドライブ数も最大で5インチ×2台、3.5インチ×4台と十分だ。

GALLERIA XT-M(右)は手回し式のネジを採用しており、ドライバーなしでサイドカバーの着脱が可能

Magnate GEの前面ベイ部分。5インチベイ×2、3.5インチオープンベイ×2、3.5インチシャドウベイ×2と十分な搭載スペース。フロント吸気ファンはBTOオプションで搭載できる

Magnate GEの背面には12cm角の排気ファンを標準搭載。標準では静音タイプのファンだが、オプションで高速ファンやLED付きのファンなども選択可能

GALLERIA XT-Mでは、搭載できるパーツの個数こそMagnate GEと大差ないものの、細かい部分ではより凝った内部構成となっている。まず、フロント部分にはMagnate GEでオプションとなっていた12cm角の吸気ファンを標準搭載。これによって前面から背面へのエアフローを積極的に作り出し、サイドフロータイプのCPUクーラーを用いることで、ケース内での空気の流れを乱すことなく、より効率のいい冷却が可能となっている。また、電源ユニットは80PLUS BRONZE認証取得のAcBel製500W静音電源を採用している。低負荷時から高負荷時まで高い変換効率を得られるので、発熱の低減にも貢献している。

画像では見えにくいがフロント下部に吸気ファンを搭載している。標準では静音タイプだが、高回転タイプのファンに変更も可能(GALLERIA XT-M)

サイドフロー型のCPUクーラーでより効率のいい冷却が可能。電源ユニットもワンランク上の製品を使用している(GALLERIA XT-M)

3.5インチシャドウベイ部分は手回しネジを外すと本体シャーシから分離可能。ドライブの交換作業がしやすく、固定も確実に行える(GALLERIA XT-M)

そのほか、スペック面でGALLERIA XT-Mの最大の特徴となっているグラフィックスカードはPalit Microsystems製で、GDDR5 2GBメモリを搭載したものが標準だが、倍の4GBメモリを搭載し静音性も高めた同社の「JetStream」モデルを選択することもできる(なお、JetStreamは拡張スロット3本分の厚さをふさぐため、PCIスロットとは排他利用となる)。

GeForce GTX 760搭載グラフィックスカードはPalit製。BTOオプションではメモリを倍増したJetStream仕様のモデルも選択できる

もちろん、ユーザーが最も気になるのは実際の性能だろう。次のページではいくつかのベンチマークソフトを利用して両製品のパフォーマンスをテストしてみよう。