Windowsのインストールができて、起動と終了といった基本的なことが理解できたら、次は仮想マシンのWindowsを快適に使うために知っておくと便利な機能などを紹介しましょう。

表示方法別のカスタマイズ

Parallelsの表示方法は[表示]メニューや[表示モード]ボタンで切り替えますが、それぞれの表示で便利な使い方があります。特にフルスクリーン表示は初期設定でMac OS Xライオンのフルスクリーン機能が使われますが、マルチディスプレイ環境ではサブディスプレイが真っ暗になってしまう問題があります。そのため、Parallels自体のフルスクリーン機能へ切り替えるとよいでしょう。

コヒーレンス表示の使い方

手順6-1 コヒーレンス表示では、ドックの[パラレルス]アイコンで副ボタンをクリック([control]キー+クリック)して、[表示]メニュー→[Windowsタスクバーを表示]を選択します。デスクトップの下端にWindowsのタスクバーを表示できます

手順6-2 コヒーレンスでは、メニューバーにWindowsの通知領域が表示されます。音量やハードウェアの取り外しなどはここから行います

フルスクリーンの切り替え

手順7-1 [構成]ウィンドウで[オプション]の[フルスクリーン]を選び[MacOS Xフルスクリーンを使用]をチェックすると、ライオンの機能で仮想マシンがフルスクリーン化します。デュアルディスプレイではサブディスプレイが真っ黒になってしまうので、オフにしましょう

手順7-2 ポインタを左上のホットコーナーに移動し、クリックするとウィンドウモードに戻れます。OS Xのフルスクリーンのときは、ポインタを画面上部に移動し、右端の青いボタンをクリックするとウィンドウに戻ります

手順7-3 ライオンのフルスクリーンを利用すると、仮想デスクトップの1つとして仮想マシンが利用でき、マルチタッチジェスチャでデスクトップを切り替えられます

USBデバイスを仮想マシンで占有する

ほとんどのUSBデバイスに関してはMacと共有されますが、OSが占有しなければならない機器は仮想マシンに直結することで利用可能になります。

手順8-1 ツールバーのUSBアイコンをクリックすると、Macに接続されたUSBデバイスが表示されます。ここで任意のデバイスを選ぶと仮想マシンに直結され、ドライバがインストールされます。Windowsのデバイス一覧に表示されます

手順8-2 例えばWindows用のキーボードを接続しておくと、Mac OS Xは認識しなくなるため、Parallelsがバックグラウンドにあってもキーボード入力ができます

手順8-3 USBメモリなどのストレージデバイスは接続するとこのようなダイアログが表示されますので、Macか仮想マシンか接続先を選びましょう

Macのキーボードにないキー操作を行う

WindowsにはWindowsキーやAltキーがある一方でMacにはcommandキーやoptionキーがあるなど、WindowsとMacでは、キーボードに違いがあります。こういったWindows独特のキーを利用した操作を行う方法として、ツールバーにキーボードアイコンが用意されています。

手順9-1 ツールバーからキーボードアイコンをクリックすると、Windowsでよく使うショートカットを入力できます

手順9-2 例えば、ソフトが応答しなくなったときは手順9-1で[Ctrl]キー+[Alt]キー+[Del]キーを選び、表示される画面で「Windowsタスクマネージャー」を選べばソフトを終了できます

手順9-3 画面キャプチャが行える[PrintScreen]キーなどもMacのキーボードには存在しませんが、ここから入力できます

MacとWindowsでファイル共有する

仮想マシンのWindowsとMac、あるいは仮想マシンとほかのマシンでネットワークを経由したファイル共有も可能です。

仮想マシンとホスト(Mac)で共有

手順10-1 [構成]ウィンドウで[オプション]の[共有]で[共有フォルダ]を[すべてのディスク]にしておきます。さらに[Windowsを共有する]の2つのチェックをオンにします

手順10-2 仮想マシンのエクスプローラーで[コンピューター]を開くとMacに接続されたディスクがすべて表示されます。Macのファインダの[コンピュータ]でも同様です。ここからファイルをやりとりできます

手順10-3 ファインダから仮想マシンへファイルをドラッグ&ドロップすればコピーできます。逆も可能です

仮想マシンとほかのマシンを共有

手順11-1 ツールバーのネットワークから[ブリッジネットワーク]を選ぶと、仮想マシンにルータからMacとは別のIPアドレスが割り当てられます

手順11-2 Windows上で[ホームネットワーク]を設定してファイル共有を開始します

手順11-3 ほかのコンピュータでネットワークをチェックすると、仮想マシンが1つのコンピュータとして表示されます。ここからファイルをやりとりできます

リンクとプログラムを関連付ける

仮想マシンとMacはドラッグ&ドロップでファイルをやりとりできるほか、Mac上のファイルを仮想マシン上のWindows用ソフトで開くことも簡単にできます。

手順12-1 Mac上のファイルを選んで副ボタンをクリック([control]キー+クリック)し、[このアプリケーションで開く]からWindows用ソフトを選べば、そのソフトでファイルを開けます

手順12-2 メールアドレスやURLをクリックしたときに常にMac側のソフトで表示させるのであれば、[構成]ウィンドウで[オプション]を選びます。[アプリケーション]で[Webページ]や[電子メール]を[Macで開く]にします

手順12-3 WindowsでURLやメールアドレスのリンクをクリックすると、Macのソフトで開くようになります

メモリの設定とスナップショットの保存

パフォーマンスに影響するメモリの設定や、仮想マシンの状態を保存しておくスナップショット機能も覚えておくと便利でしょう。

Windowsに割り当てるメモリとCPUを変更する

手順13-1 構成ウィンドウの[一般]では、仮想マシンに割り当てるメモリやCPUコアを変更できます。メモリはむやみに増やす必要はなく、1GB程度で十分です。なお、これらの変更は仮想マシンをシャットダウンしてから行います

手順13-2 メモリの割り当て量の目安は、Macで[ユーティリティ]→「アクティビティモニタ」を開いて、仮想マシンを起動しているときに緑色の「空き」が残るようにしましょう

手順13-3 ゲームなどをプレイするときは、構成ウィンドウで[ハードウェア]の[ビデオ]で[ビデオメモリ]を増やしておきましょう

手順13-4 ゲームや動画変換ソフトなど演算能力が必要なソフトを使うときは構成ウィンドウの[一般]でCPUを増やしておきましょう

仮想マシンのスナップショットを取る

手順14-1 構成ウィンドウを開き、[オプション]→[バックアップ]で[SmartGuard]を有効にしておくと、仮想マシンの状態を一定間隔で保存してくれます

手順14-2 仮想マシンの状態は「スナップショット」という形で保存されます。差分バックアップのようなもので、[仮想マシン]メニュー→[スナップショットの作成]を選べば手動でも保存できます

手順14-3 例えばソフトをインストールしたあとにWindowsの調子が悪くなったら、それ以前のスナップショットをダブルクリックすると、ソフトをインストールする前の状態に戻せます(ただし、そのあとに保存した書類などもなくなります)

仮想マシンを削除する

最後に不要となった仮想マシンの削除方法も解説しましょう。

手順15-1 仮想マシンファイルは数十GBにもなりますので、不要となったら削除しましょう。[Parallels仮想マシン]ウィンドウで副ボタンをクリック([contro]キー+クリック)して[削除]を選びます

手順15-2 このようなダイアログが表示されますので、[ゴミ箱に移動]をクリックします

手順15-3 ドック上でゴミ箱を空にすることで、仮想マシンファイルが削除されドライブの空き容量が増えます