不況期ながら過去最高の売り上げを記録

さて、おりしも昨年末より百年に一度の不況などと言われており、このタイミングでの訪問はどうだろうと、内心心配していたのだが、河野氏からは驚くべき言葉が発せられた。サイコムでは2009年3月の売り上げ高が過去最高を記録したというのだ。

好調の理由を河野氏はこう分析する。「3月はもともと進学・進級、新社会人、法人の期末の需要があります。景気動向のとおり法人需要は少なかったものの、個人ユーザーの需要がそれをカバーしてプラスアルファとなりました」。進学、新社会人を契機にパソコンが欲しいという個人ユーザーはまだ根強く、特に両親が子供のためにパソコンを購入するというパターンが多かったようだ。そしてなにより、数あるBTOメーカーのなかで、サイコムを選ぶユーザーが多いからこそ過去最高を記録できたと言えるだろう。

さらに河野氏はこうしたサイコムを支持する個人ユーザーに対し、今後さらなるアプローチが必要と感じているとのこと。とくに3月の受注では、前述の様に両親が子供のために購入するパターンが多かったそうだが、実際、注文者に電話をしてみるとお父さんが出て、「注文したパソコンのことは息子でなければわからない」という答えが多かったそうだ。まず子供がサイコムで見積もりを出し、お金を出すのはお父さんという構図だ。

サイコムでは、その"お父さん"が安心して購入できるよう努力しなくてはならないと考えているのだという。「うちがやらなきゃいけないことは、安心感を持たせること」「Microsoftのパートナーやインテルのアソシエートメンバーは取得しましたけど、今後はMicrosoftの(さらに上位の)ゴールドパートナーの取得など、限られたリソースのなかでも更にやっていかなければならないでしょうね」と課題を語った。Microsoftのゴールドパートナーの取得には、様々な条件があるとのこと。なかでも重要なのは、一定数の社員がMicrosoftの認定資格を取得していること。同社では資格手当も出し社員に資格取得を推奨しており、現在では社員の半数ほどが資格保持者であると言う。

社内ではマイクロソフト等の認定資格取得を推奨。現在約半数が資格保有者とのこと。「安心」への取り組みの一環だ

さて、少し売れ筋商品についてお聞きしてみた。先の新入学、新社会人という個人ユーザーの注文では河野氏が「いいパソコンを選ぶ方が多い」と感想を述べるほど、高性能パソコンの購入率が高かったという。特に多かったというのが最新ハイエンドCPUである「Intel Core i7」を搭載したモデル。通常ラインナップの「Radiantシリーズ」、ゲーム専用のハイエンドモデル「G-Masterシリーズ」とも、Core i7搭載モデルが人気であるとのことだ。ミドルタワーの「Radiant GZ2010X58」が94,800円から、、「G-Master」では「BLADEシリーズ」が145,800円からと、コストパフォーマンスが高いという点もあるが、そのほかにも丁寧な内部配線といった気遣いや納期の柔軟さなど、サイコムを選ぶユーザーには様々な理由がある。そのあたりをお聞きしてみた。