ソフトバンクは3月21日、同社の携帯電話ネットワークに関する説明会を開催し、孫正義社長が、「一番つながりやすい」携帯ネットワークになったと強調した。その一環として、買収したイー・モバイルブランドのLTEネットワークを活用した「ダブルLTE」を同日から開始。これらの取り組みによって、さらにつながる環境を目指していく考えだ。
「接続率」1位になったソフトバンク
孫社長は、冒頭で「ソフトバンクはつながりにくいというのが多くの人のイメージだった」と話し、社長自身がTwitterを始めた頃は、そうした問い合わせも多かったという。2010年3月時点では、ソフトバンク解約理由で一番多かったのが「電波が悪い」で、「最大の弱点」だったそうだ。それをふまえて「電波改善宣言」によって、今後のネットワークの改善を約束していた。
その後、2012年7月25日には900MHz帯の周波数帯域、孫社長の言う「プラチナバンド」が利用可能になった。7月のサービスインから一気に基地局を増やし、2013年3月末の開設計画では16,000局の基地局を設置するとしていたが、これを前倒しし、すでに約2万局を達成したという。
社内では、「なんとしても前倒しで実現する」という孫社長の強い姿勢の元、「大雪でも大嵐でも」基地局の設置を続けてきたそうだ。こうして3G向けのプラチナバンドの基地局は増加したが、孫社長は「数を誇るのではなく、実際につながりやすくなったかどうかを具体的な数値で報告」するという。
民間調査会社のイプソスによる通話テストでは、3月12日の段階で、音声接続率が98.4%となり、NTTドコモやKDDIを抜いて1位になった。プラチナバンド開始前の12年7月24日時点では「大きく引き離されて」いたが、これを1年で逆転。データ通信については、ヤフーの「防災アプリ」を使うなどしたパケット接続テストを実施し、3月19日の段階で96.6%と、これも1位を獲得。「毎日トップではないが、1位、2位を争うぐらいには確実になった」とアピールする。
データ通信を頻繁に行うスマートフォン時代になり、孫社長は「パケット接続率で1位になることが重要」と強調。音声通話中心の時代に比べ、1日辺りの使用時間でスマートフォンは8割がデータ通信ということで、このデータ通信でつながりやすくするのが「もっとも難しい課題」で、ソフトバンクはここに注力してきた。
実際にここ5年間で、音声通話のデータ通信量は1.3倍にしか伸びていないが、データ通信量は60倍に増大。