ちなみに、今夏までにイー・モバイル端末向けに2.1GHz帯の音声ネットワークを貸し出すことになっているが、これも同様の仕組みを使うことで、イー・モバイルの端末からはソフトバンクの基地局につながっていても、イー・モバイルの基地局として見えることになる。
なお、イー・モバイル基地局は周波数利用効率を向上させつつ、小セル化をするなど基地局を増やし、最終的にはソフトバンクのトラフィックの半分ぐらいをオフロードしたいという。
このダブルLTEによって、「iPhoneで活用できるLTEの基地局で言えば、他社(KDDI)を大きく上回る」と孫社長。1車線の道路に車が集中して混雑しているが、それが2車線になる、という例を示し、ダブルLTEのメリットを強調する。
「世界で最も進んだ、一番つながるネットワーク」
このほか、孫社長はバックボーン側のネットワークの重要性も強調する。「世界で初めてフルIPのバックボーンを作り上げた」(同)ということで、容量も10倍に拡大するなど、さらなる拡大を図っており、基地局の伝送路も、すでに80%がギガビット化し、容量を増大させている。
また、ネットワークは東京と大阪の2カ所で冗長化しており、片方のネットワークがダウンしても、すぐに切り替わって継続できるようにした。これを「世界で最も進んだ」ネットワークだと胸を張る。こうして、過去660日間以上、総務相に報告義務のある重大事故を起こしていないことをアピール。プラチナバンドや小セル化、フルIPネットワークによって、これを実現したという。
その結果が、前出の音声とパケットの接続テストだ。音声テストでは、月間19万件という大量の発信を行ってテストしているが、端末によって着信率に違いがあり、同じiPhone 5で比べたところ、KDDIに比べて「接続率で確実に勝っている状況」だという。
パケット接続率テストでは、グループ会社のヤフーのアプリ「防災アプリ」などを利用。30分ごと、または移動時に端末から位置情報を送信し、圏外または10秒以上通信ができなかった場合に接続できなかったと判断する仕組みを取り入れた。これによってパケット接続率も1位で、iPhone 5だけで比べると、その差はさらに広がる、という。
取得する情報は地図情報、建物内か外かの情報、基地局情報、時間情報と多岐にわたり、月間1.5億件の情報が集まっているそうだ。これを解析することで、圏外や混雑地点の割り出しを行い、「基地局計画の最適化に活用」しているという。