Kindle Fire HDを購入し、使い始めてから3カ月が経った。8.9インチサイズの新製品も登場するようだし、このあたりで改めて使用感をレポートしておこうと思う。購入を検討されている方の参考になれば幸いだ。ちなみに同サイズのタブレット端末としてはiPad miniを所有しているので、主にそちらとの比較・使い分けについて記すことになる。
Kindle Fire HDは最強のコンテンツ消費マシン
Kindle Fire HDの特性を一言で表してしまえば"最強のコンテンツ消費マシン"ということになる。ファーストインプレッションレビューでも書いたことだが、3カ月間使ってみてますますその思いを強くしている。
その理由の一つが、Androidをベースにした独自のOSの使い勝手だ。ベースにしたといってもAndroidとはもはやまったくの別物で、ホーム画面には直近で開いたアプリやコンテンツ、ウェブページなどがずらりと並んでいる。
これはつまり、Kindle Fire HDにとって、アプリも、音楽や書籍といったコンテンツも、さらにはウェブページですらも同価値であるということだ。他のタブレットではホーム画面にはアプリアイコンが並んでおり、音楽や書籍といったコンテンツはもう一階層奥に収納されているものだった。それが、Kindle Fire HDでは同じ扱いなのである。
このことからもKindle Fire HDがコンテンツ重視の姿勢であることが見て取れる。むろん他のOSでもショートカットを作ることは可能だが、あまり一般的なやり方ではないだろう。
音楽や書籍などのコンテンツにホーム画面からダイレクトにアクセスできるということは、「直近に読んでいた本(聴いていた曲)を続きを楽しむ」のに最適な仕様だ。ビューワやプレーヤーアプリを起動させる1タップの差は思った以上に大きい。
また、地味な点ではあるが、Kindle Fire HDは本体から直接Kindleストアにアクセスできるのもありがたい。これがiPad miniのKindleアプリだと、大人の事情でアプリからKindleストアには飛べず、いったんサファリなりのブラウザを起動してからKindleストアにアクセスし、購入したものをiPad miniに送ってKindleアプリを再度起動する……という面倒くさい手順を踏む必要があるのだ。読みたいものがすぐ買える。当たり前ではあるが、重要なメリットだ。
アプリストアのラインナップは急速に充実するも……
Kindle Fire HDではGoogle Playのアプリを利用することができない。アプリはAmazon独自のアプリストアからダウンロードするしかなく、Google Playの中から審査を通過したもののみを販売している。決済方法が違うので、Google Playで購入済みのものであっても、Kindle Fire HDでは別料金となる。つまり、iOSやAndroid端末を使ってきたユーザーの"アプリ資産"が生かせないわけだ。これがネックになって購入を控えていたユーザーも多いと思う。