現在販売中のAMD製CPUのなかには、プロセッサのダイ自体はクアッドコアだが、その一部を非動作に制限することで、トリプル/デュアルコアとした製品が存在している。今回取り上げる「AMD Phenom II X2 555 Black Edition」もそういった製品のひとつで、動作コア数こそ2基に減らされているものの、高クロックのPhenom IIが1万円以下で入手できるのが大きな魅力だ。ところが、である。この製品、非動作コアの復活まで出来てしまう……という"ウワサ"まであるのだ。
そもそも、AMD製CPUのコア復活は過去にも報告例があった。昨年のPhenom II X3の登場時に、X4化がマニアの間で話題になったりしていたのだ。その際、実は筆者もいくつかのPhenom II X3を用意して個人的に試してみたりしていたのだが、環境が悪いのか個体差が大きいのか、納得できるレベルではコア復活を再現できず、誌面で紹介するのは断念していた経緯がある。
さて、「ということは」である。Phenom II X2 555 BEが登場したのは1月なので、ちょっと遅くなってしまったのは申し訳ないのだが、記事がこうして日の目をているからには期待して欲しい。今回、かなり"おいしい"と思える結果を得ることが出来たのだ。
ご注意: 本稿で紹介する「コア復活」の手順を実行すると、CPU、マザーボードおよびその他パーツに重大な影響を与える可能性があります。手順実行に関して編集部および筆者は責任を負いません。くれぐれも自己責任でお試しください。なお結果は今回のテスト環境下でのものであり、実際の製品で同じ結果が得られることを保証するものではありませんので、あらかじめご了承ください。
というわけで、上の囲みはお決まりの文句である。つい最近、「21世紀にもなってCPUから火を出すなんてヤロウは、もういっかいCeleron 300Aから出直して来ればいいんだよっ!」などと思いながら某CPUのオーバークロックを鼻歌まじりに試していたら、マザーボードから煙が立ち昇っていた筆者的には、記事を読み進める前に囲み内の注意事項を読んでおいていただけると幸いである。