今回のテスト機材を紹介

まずはCPU。1個体だけ成功しても「運が良かっただけ」になってしまうので、なるべくなら多くの個体を用意できるに越したことは無い。今回は「Phenom II X2 555 BE」を2個、さらにたまたま手元にあり、製品発表日も同じだった縁で「Athlon II X3 440」も2個用意した。ちなみにAthlon IIは、Phenom IIベースで、同じ45nmの製造プロセスだが、コアリビジョンはPhenom II X2 555 BEがC3、Athlon II X3 440はC2だった。Athlon IIはあくまでオマケと考えていただきたい。

Phenom II X2 555 BE×2個

マザーボードは「MSI 785GM-E65」

もうひとつのポイントとなるのマザーボード。今回はエムエスアイコンピュータージャパンの「MSI 785GM-E65」を利用する。マイクロATXサイズのコンパクトマザーながら、大出力のPWM VRM電源回路を積んでおり、140W CPUに対応、オーバークロック機能も充実しているという優秀な製品だ。ほか主なテスト環境は以下の表に示す。

CPU Phenom II X2 555 BE×2 / Athlon II X3 440×2
M/B MSI 785GM-E65(AMD 785G+SB710、BIOS Version 2.4)
Mem DDR3-1333 2GB×2
GPU ATI Radeon HD 4200(AMD 785G内蔵)
SSD Intel X25-M G1 80GB
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版

実行手順はBIOSのACC設定だけでOK

MSI 785GM-E65を用いた際の4コア化の手順だが、これは非常に簡単。まずはBIOS画面に入り、「Cell Menu」のメニューを選択。続いてその中に、「Advanced Clock Calibration」(通称ACC)という設定項目があるので、こいつを「Auto」に設定してやるだけでいい。他のマザーボードでコア復活にチャレンジする際にも、基本的にはこのACCを探して設定してやればいいものと考えられる。AMD純正ユーティリティの「AMDOverDrive」経由でACCを設定する方法でも、おそらくは大丈夫だろう。

はははっ! 私はまだ50%のパワーしか(略)

では、今回の機材における4コア化の結果を発表したい。まずPhenom II X2 555 BEは、用意した2つとも4コア化に成功。クロックは3.2GHzのままキャッシュもきれいに復活し、ついでにCPU-Zで見てみるとPhenom II X4のDenebコアとして認識してくれている。

Phenom II X2 555 BEのCPU-Z画面

4コア化。CPU-ZもPhenom II X4として表示

オマケのAthlon II X3 440の方はというと、こちらは1つだけ4コア化に成功。敗因はリビジョンがC2だったからなのか、筆者の運なのかはわからないが、それでも2打数1安打なら悪くは無いような気がする。

Athlon II X3 440のCPU-Z画面

今度は1つだけ4コア化に成功した。こちらは成功した個体

こちらが失敗した方の個体