――それでは、CDの限定盤に同梱されるDVDに収録されているミュージッククリップについて教えてください
「今回のミュージッククリップは、ギター、ベース、ドラムとボーカルの私という女の子4人のバンドが、とある山の中のペンションでセッションをして歌っているといったシチュエーションをベースにして、そこから私の歌に対する気持ちなどを表現しながら作っていくというものだったのですが、『にゃんこい!』というご縁もあって、アニメの中に出てくる"ニャムサス"というネコとそっくりの役者さんをスペシャルでお呼びしています。こうすけ君というネコちゃんなんですけど、こうすけ君を合わせた5人が出演して、ネコと私と音楽と仲間という、自分の好きなことをさせてもらっているときの幸せや、大好きなネコちゃんと一緒にいるときの幸せといったものが、すごくにじみ出ている作品になっていると思います」
――収録の際のエピソードなどはありますか?
「あんなに楽しく撮影ができるとは思わなかったですね。正直な話、私は写真や映像が苦手なんですよ。どういう風に求められているのかを考えすぎちゃう傾向があるんですね。たとえばこちらからカメラで撮られているとしたら、じゃあ私はどの角度を向けばいいのかなとか、そういったことを必要以上に考えちゃうタイプなので、気にしすぎて、かえって表情が固くなったりしてしまうんですよ。それが、実際にできあがった映像を観たら、まったくそういったことを考えているそぶりもなく、しかも、頼まれてもいないのに、最後にウインクとかしたりしているんですよ(笑)。『私、何やってるのー』ってビックリしちゃいましたね。こうすけに途中でチュッてキスをしているシーンもあるのですが、そんなことも全然頼まれてなんかいないんですよね。すべて楽しくていろいろとやってしまった結果なのですが、"本当に楽しかったんだな、私"って、またこれも他人事のように感じました(笑)」
――PVの撮影をした小淵沢の森の中という環境のせいでしょうか?
「精神的なものとか、不可思議な世界というものについて、さほど信じているほうではないのですが、やはり土地のパワーってあるんだろうなって思いました。あの土地に行った瞬間の、私の元気になり方といったら普通じゃなかったですね。着いた瞬間に急激に肌艶が良くなって、新陳代謝が良くなりすぎちゃって、本当に恥ずかしいお話なのですが、汗をかきすぎてしまったんですよ。今からPVを撮るというのに、高ぶっちゃって、めちゃめちゃ汗をかいてしまったんですね。なので、セッティングをしている間に、スタッフの皆さんにお願いして、ちょっとお風呂に入らせていただきました(笑)。それでスッキリして、赤ちゃんみたいな肌になって帰ってきました。もう、つやっつやで、キラッキラですよ(笑)。それぐらい土地の力を感じたので、あそこに住んでいらっしゃる方がうらやましいなって、私も年をとったら、ああいうパワーのある土地に住みたいなって思いました」
――ちなみにPVのメインキング映像はどのような感じになっていますか?
「収録風景なのですが、実際にカメラが回っているところを横から撮っていたりだとか、朝3時に集合したときのあまりにも眠そうな私の顔だったりとか……。ひどかったですよ、すっごいブサイクでした(笑)。私の人生もこれから長いので、一瞬考えたんですよ。これはノーというべきなのではなかろうかと。いくら何でもこれはないですっていうべきではなかろうかと。でも、これをなくしちゃうと突然現地に着いてしまっているので、それは良くないなって、観ている方の気持ちを無視しちゃうなって思ったので、小一時間悩んだ末に、"じゃあこれで"っていっちゃいました。ブッサイクですよー(笑)。私、スッピンの映像がいろいろなところで流れちゃっているので、いまさらとも思ったのですが、そういう問題じゃなかったですね。すっごいブサイクでした。その後キレイにしてもらっているので、使用前、使用後をお楽しみいただけます(笑)。なかなかそこまでさらけ出す人もいないと思うのですが……。あとメイキングでは、バンドメンバーとお話ししたり、ネコとじゃれたりしていますね」
――ネコとの撮影はいかがでしたか?
「私のことはあまり眼中にないご様子で……。私はかまってほしくて、ずっと話しかけていたんですけどね。ツーショットで撮るときは音もなくなったので、こうすけ先生もおとなしくなられましてですね、貫禄をみせはじめたわけですよ、『撮れば?』みたいな感じで。『わー、プロすげー』とか思いつつ、かまってほしいなって思うんですけど、私は動物を飼ったことがことがないので、たぶんばれちゃうんですよ、『こいつ、俺より下だ』っていうのが(笑)。どこにいっても動物になめられちゃうんですけど、こうすけさんも全然私のことは気にも留めてくれず……。私はかまってほしいので、ずーっとつぶやいているんですよ。『ねぇ、こうすけさん、音とかびっくりしちゃいますよね』とか、『急に隣でドラムとか、びっくりですよねー』みたいなことを延々と話しかけていたんですが……。写真も、一見寄り添っているような感じに写っていますが、私が擦り寄っているというのが現実です(笑)」