襲い来る多様なキメラたち~米E3で公開されて話題を呼んだ巨大キメラ「リバイアサン」はシカゴに現れる!
プレイして最後まで怖かったのは「カメレオン」と呼ばれる光学迷彩スーツに身を包んだ巨体キメラ兵。ハイライトが若干見えるくらいのほぼ透明で見にくい敵なのだが、スニーキングしているわりには大きな音を立ててやってくる。そして最大限に接近したところでほぼ即死技といえる鉤爪攻撃をかましてくるのだ。
有効な攻撃は、近接だとショットガン系、遠距離だとマシンガン系連射攻撃になるのだが、武器の切換に戸惑っていると間違いなく殺される。なので、ドシンドシンという早歩きで姿無しの足音だけが迫ってきたときには、ヤツだと分かっていても緊張が走る。
カメレオンはほかの敵と一緒にはあまり出てこない。そのため、ジャングルや屋内などのシーンで敵が出てこないひっそりとした時間帯は、逆に恐ろしくなって警戒してしまう。ドンパチばかりの銃撃戦でなく、こうした静と動をうまく操ったステージ構成はお見事である。また、カメレオンの足音もそうだが、このゲームはサウンドが攻略に一役買うことが多い。敵のうめき声や銃撃がちゃんと360°のサラウンドサウンドに対応しているので、5.1ch(ないしはそれ以上の)サラウンドシステムを所有している人は、その恩恵が120%活かせるゲームとなっている。敵がどちらから来たかが本当に分かりやすい。こうした「静と動」の演出、サウンドで盛り上げる仕掛けの数々は、テーマパークのお化け屋敷とよく似た、心地よい緊張感を作り出して楽しさを盛り上げてくれる。
そして、PS3をはじめとした次世代機では、コーエー「戦国無双」シリーズ、カプコン『デッドライジング』に代表される「大量の敵」表現というのがトレンドだ。『RESISTACE 2』でも、この大量表現は導入されていて、人間が変異したキメラの中でもっとも低級な「グリム」は、あり得ない数の群集で攻めてくる。しかも、いわゆるゾンビゲーのゾンビのようにゆったりやってくるのではなく、アスリート並の全力疾走でこちらに走って攻めてくるのだ。
銃撃を仕掛けてくるわけではなく、真っ白い血色の悪い全裸の連中がただカミツキにやってくるというおぞましい光景は、映画「アイ・アム・レジェンド」に登場した吸血鬼化した人類"ダークシーカー"たちを思い起こさせる。耐久力はそうでもないので銃を乱射するだけでも撃退できるのだが、それでも弾をリロードする間に取り囲まれて撃退が間に合わないこともある。リロードの時間は本当に長く感じるし恐怖を味わう。そして、シーンに何十体と転がった白い死体の山も気色悪く恐怖を増長させる。
大ボスよりも恐ろしい中ボス的存在の巨人「タイタン」は今作にも登場。しかし、なんといっても『RESISTACE 2』での注目は、そびえ立つビルよりもでかい巨大ボスキメラ「リバイアサン」だろう。ゲーム後半でシカゴの街を闊歩するその姿には圧倒されること間違いなし。リバイアサンはリアルスケールの巨体で描かれており、こちらの銃撃をものともせずに街を破壊しまくる。このアメリカの街中で一人称視点で巨大怪物から逃げまどう感じは映画「クローバーフィールド」を思い起こさせてくる。この無敵のリバイアサンをどう倒すのかは、ぜひともゲームの中で、自身で体験してほしい。