キヤノンから、9月27日に「EOS 50D」が発売された。このEOS 50Dをレポートしよう。価格はオープンだが、実勢価格はボディ単体が約15万5,000円、「EF-S 17-85mm F4-5.6 IS USM」とのセットが約19万2,000円、「EF-S 18-200mm F3.5-5.6 IS」とのセットが約21万円となっている(本文中も含め、価格は10月6日現在のマイコミジャーナル価格情報の平均価格)。今回の記事作成には量産前のβ機を使用している。なお、新しい「EF-S 18-200mm F3.5-5.6 IS」のインプレッションは別記事にまとめた。
ミドルクラス3台体制のキヤノン一眼レフ
キヤノンは、EOS 50Dの発表会で、「従来モデルのEOS 5D、40Dに50Dを加え、今後はミドルモデル3機種をラインナップしていく」と語り、その後の「EOS 5D Mark II」の発表会では、EOS 5DをEOS 5D Mark IIに置き換えたミドルクラス3台体制のラインナップを図示していた。要は、EOS 50DはEOS 40Dの後継機ではないという。事実、現在も併売されている。
ニコンとの比較でラインナップを確認してみる(下図)。キヤノンのAPS-Cクラスの撮像素子を持つ一眼レフとしては、このEOS 50Dがもっとも上位のモデルとなるが、ニコンを見ると「D300」が約21万円、その下の「D90」が約11万円。EOS 50Dの実売約15.5万円は、すっぽりとその中間にはまる。EOS 50Dはこの強力な2モデルを相手にしなければならないわけで、EOS 40Dの助けが必要なのもわかろうというもの。
新しい画像処理エンジン「DIGIC 4」はEOS 50Dから
スペックを確認しておこう。EOS 50Dの有効画素数は1510万画素。APS-Cクラスとしては、もっとも高画素のモデルとなった。撮像感度は常用ISO 3200までだが、さらに2段の増感が可能。ISO 12800相当までの高感度撮影が可能になる。この高画素+高感度で、ノイズがどうなっているか興味深いところだ。
連写は最高で秒6.3コマ。これはJPEGはもちろん、RAWでも同じ速さが可能だ。連続撮影枚数は画像種類によって異なるが、RAWで16枚、RAW+JPEGでも10枚が連続して撮影できる。これを可能にしたのは新しい画像処理エンジン「DIGIC 4」だ。この後発表されたEOS 5D Mark IIでもDIGIC 4が使われているが、搭載されたのはEOS 50Dが初となる。
ファインダー視野率は95%。AFポイント(AFフレーム)は菱形に並ぶ全9点だが、全点クロスセンサーを採用。中央の測距点にはF2.8対応のセンサーを使用している。液晶モニターは92万ドットの3.0型のクリアビュー。3.0型液晶は当たり前になりつつあるが、92万ドットはいまもってアドバンテージだ。
キヤノンは手ブレ補正をレンズ側で行なうため、同機構をボディには搭載していない。しかしセンサーに付着したゴミをふるい落とす「セルフクリーニングセンサーユニット」を搭載。EOS 50Dでは新たに「ダスト付着防止用フッ素コート」を採用し、粘着性のあるゴミや、湿気を含んだダストの除去能力も向上しているという。
ライブビューも進化し、顔認識機能の「顔優先ライブモード」を装備。この機能は初心者向けモデルにも搭載していってもらいたい。
初心者向けの試みとしては、「クリエイティブ全自動」が新しい。これは「絞り」や「露出補正」といった専門用語(?)を排し、簡単に、自分の好みに合わせて撮影できるというもの。これも後ほど改めて触れたい。