ラストは川島が、昭和61年に放送された『木曜スペシャル 世界ビックリ大賞』(日テレ系)に登場した「世界一爪の長い男」をピックアップ。25年間伸ばしていた爪を「そろそろ自由になりたい」という本人の希望で切ったのに、「なぜか涙を流した」というオチだったが、長すぎる爪の異様な映像はオープニングではなく、エンディングに最適だった。
今回も3時間の長丁場がアッという間に終了。前回同様、テレビ番組でよく見る昭和50~60年代だけではなく、昭和30~40年代の放送もふんだんに盛り込むことで、現在とのギャップを生み出していた。妥協なきリサーチ、映像収集、再現ドラマ制作から、圧倒的な手数の多さを生み出すマンパワーは、「さすが日テレのバラエティ」と思わせられる。
昨夏の第1弾放送以降、「ヤバイ昭和」をフィーチャーした番組は多かったが、ここまでやり切ったものはなく、むしろクオリティの差が際立つ感があった。終始楽しそうな表情を見せるなど、ダウンタウンのノリは前回以上に良く、密度の濃さを見る限りまだまだネタや映像も余力を感じさせられる。「もし他番組が昭和特集で追随しても揺るがないほどの独走状態」と言っていいかもしれない。
前回放送時は「なぜ昭和やZ世代にダウンタウン?」という必然性がそれほど感じられなかったが、今回で「これほど昭和をよく知り、Z世代とのトークに違和感がないのはダウンタウンしかいない」と感じさせられた。笑いという意味ではさておき、「幅広い世代を巻き込む大衆性という意味では現在、日本トップの特番」と言っていいのではないか。
果たして夏の第3弾、そして大みそかの放送はあるのか……そんなウワサ話ですら楽しめることが特別な番組であることの証しだ。
■次の“贔屓”は――注目度上昇中の「学校かくれんぼ」第3弾!『新しいカギ』
今週後半放送の番組からピックアップする次回の“贔屓”は、11日に放送されるフジテレビ系バラエティ番組『新しいカギSP』(19:00~)。
今回の目玉企画は、「学校かくれんぼ」の第3弾。この企画は昨年11月12日と今年1月14日に放送され、学校で行われるタレントVS学生のゲームバトルが話題を集めた。
新しいカギチームは第1弾で圧勝し、第2弾で完敗と対照的な結果だっただけに、隠れ方の難易度などをどう調整するのか。若年層の視聴者をつかむ上で重要な企画だけに、この段階で掘り下げておきたい。