陸上自衛隊を舞台に青年たちの青春群像劇を描くフジテレビ系ドラマ『テッパチ!』(6日スタート、毎週水曜22:00~ ※初回15分拡大)。主演の町田啓太が演じるのは、仕事を失い、途方に暮れていた中、陸上自衛隊の教官・八女(北村一輝)に誘われて中途半端な決意のまま自衛官候補生になった国生宙だ。
過酷な訓練シーンなどもあるということで、「耐えられる以上の体づくり」をして臨んだという町田。その役づくりや、撮影現場・候補生役たちとの雰囲気に加え、自身にとって運命の出会いとなった人物などについて、話を聞いた――。
■自衛官に囲まれた環境「懐かしいな」
――今回のオファーを受けた際の心境は、いかがでしたか?
群像劇はもうこの年齢(7月4日で32歳)ではできないと思っていたので、それがうれしかったですね。学生時代もたくさん群像劇を見て育ってきたので、今回は素敵なメンバーと一緒にまた青春を過ごせたらなとすごくワクワクしました。
また、舞台が陸上自衛隊で、防衛省さんが全面協力ということで、その規模感にすごく驚きました。僕は高校時代、自衛隊様式を模したような寮生活を送っていまして、当時の先生には元自衛官の方や、レンジャー部隊にいた方もいらっしゃったので、ご縁を感じてうれしく思いました。楽しいものができるように、僕も楽しんで頑張りたいなという気持ちになりました。
――実際の駐屯地や演習場でも撮影されていますが、その現場の様子はいかがですか?
まず、僕は高校時代を思い出して「懐かしいな」という感じがありました。本当に整理整頓されていて、無駄なものがないですし、そういったところが懐かしいなと思ったんですが、よく見ると、見たことのない車両や、建物、実際に自衛官の方たちが訓練されている姿を見て、本当に圧倒されると言いますか。みんなでキョロキョロしてしまい、「早くここになじみたいな」と思いましたね。
――陸上自衛隊の訓練も体験されたということですが、いかがでしたか?
それも「懐かしい」なんですよね。本当の候補生に教えている教育隊の皆さんに指導していただいたんですが、僕も高校時代にそういうことをたくさんやっていたので。
――どんなことを指導されたのですか?
「気をつけ」「休め」というレベルから始まり、「右向け右」「回れ右」と、敬礼の仕方だったり。そこから銃の取り扱いや、匍匐(ほふく)前進をやったんですが、匍匐前進にも5種類くらいあるんですよ。段階がありまして、すごく理にかなって実用的になっているのですが、そのようなことをみんなで学びました。やっぱり慣れていない動きなので、あちこちみんな痛くなってましたね(笑)。本気でやっていたので。
■現役の前で演じる緊張感「やれることを全力で」
――陸上自衛隊のドラマならではの撮影秘話はありますか?
みなさんが本当に協力してくださっていて、有志でもエキストラとして映ってくださるんですが、北村(一輝)さんが実際の自衛官の方々とコミュニケーションを取られて、士気を上げてらっしゃる姿を見て、さすがだなと思いました。それでお話ししやすくなると、本当に生の声が聞けるんですよ。それがすごくうれしくて、みんなしゃべってますね。
―― 一方で、現役の自衛官の前でその方たちを演じるというのは、緊張感があるのではないでしょうか。
ありますね。やっぱり現職の皆さんを体現しているし、これだけ全面協力していただいているので、すごくウソが生じてしまうと本当にもったいないという思いがあります。自衛官の皆さんから「(ドラマ)楽しみにしてます」とお声がけいただくんですよ。だからこそ気が引き締まりますし、やれるだけのことを全力でやるという意識でみんなやっていますね。
――これだけ濃密に接したり、自身が演じることで、自衛官や自衛隊へのイメージに変化はありますか?
学生時代から接する機会が多かったので、改めて清々しい場所だなと思いました。みなさん自分をすごく律しながら、命のことを考えて生活してらっしゃるからこそにじみ出てくるエネルギーというのが、すごいですよね。それに当たっていると心地良いというのもありますし、僕も自衛官になっていくというストーリーですので、ああいう出で立ちや顔つきになれていたらいいなと思うくらい、いつも触発されています。