もう両肩筋肉痛です(笑)

――それぞれの印象を伺っていきたいのですが、倉田さんからお願いできれば。

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倉田大誠
1982生まれ、長野県出身。日本大学芸術学部卒業後、04年にフジテレビジョン入社。『直撃LIVE グッディ!』『めざましテレビ』といった情報番組や、プロ野球・ゴルフ・バレーボールなどのスポーツ中継を担当。18年4月から『プライムニュース イブニング』のメーンキャスターを担当。

倉田:反町さんは、自分が2004年に入社したときに官邸キャップをされていて、新入社員の研修でお話を聞いたのが最後です(笑)。本当に、それ以来13年ぶりにお会いしました。もちろん、テレビで『プライムニュース』を拝見していたんですが、うなずき方とか相づちの打ち方、質問の仕方が正直怖いなと思って見ておりました(笑)。しかし、鋭い切り口でゲストに迫っていく強さ、しかも生放送でそれをやってのけてしまう姿には、ただただすごいの一言です。島田さんは、とても凛とされていて、アナウンス室に入ってくる時はいつも一番奥の席の人にも聞こえるくらいの声の大きさで「おはよう!」ってあいさつされるんですよ。一方で、お酒は嗜むどころじゃなくて浴びるくらいなので、意外と人間らしい一面があるというか…

島田:ちょっと、どういう意味!?

倉田:えっと、もっと完璧な"鉄の女"という印象があったということですね。お2人とも共通しているのは、すごい方なんだなと。とても緊張する方たちが両サイドにいるので、もう両肩筋肉痛です(笑)

――島田さんは、反町さんとBSの『プライムニュース』で5年間一緒にやられていましたよね。

島田:はい。反町さんの印象…顔がめっちゃ怖い。それと、声のドスがすごいですよね。

反町:何だよそれ(笑)

島田:テレビに出る人の「さわやか」っていうイメージをことごとく打ち破ってきたのが反町さんなんですけど、やっぱり制作マンなので、取材に基づいた質問やそれをまとめ上げる構成力、スタッフと話し合って番組を作り上げていく姿を横で見ていて、何の心配もなく横に座ることができたんです。こちらも自分なりに勉強して臨むんですけど、間違ってしまった時に罵倒することもなく、ニヤッと笑うみたいなところがあって、そういう大きなところをすごく頼りにしています。ただ、ほら、見た目が…(笑)。だからパートナーシップにおける私の1つの使命は、反町さんの中の素敵なところ、チャーミングなところを、女性に少しでも分かっていただけるようにすることだと思っています。

――主婦層も多い時間帯ですからね。

反町:僕じゃ主婦にウケないでしょう(笑)。安倍(晋三)さんが最初に『プライムニュース』に来たときに、「反町さんディレクターかと思ったよ。フジテレビはビジュアル系やめたんだね」って言われたんだから。

島田:でも、反町さんって1回見ちゃうとチャンネル変えられないですよね。

反町:それは圧迫感があるからでしょ(笑)。「睨まれてる」って思われて、次からチャンネル合わせてくれなくなるよ。

島田:倉田さんはねぇ、なんかかわいいのよ(笑)。この話が決まった時に、真っ先に私に来たメールに「ごめんなさいと、先に謝っておきます」って(笑)

倉田:先ほど申し上げたように、社の事情があったので、本当に飲み込めなかったんですよ…。

島田:でも、本当に頼りにしてるんですよ。私はもしかしたらどうしても子供の病気などで会社に来られないことがあるかもしれないから、よろしくお願いしますね。

島田アナはヒットマン!?

――反町さんはお2人の印象、いかがですか?

反町:倉田さんは、本当に一緒に仕事したことないもんね。だから、馬券の買い方とか教わりたいな。そういうの得意でしょ?

倉田:いや、勝てないと思います。

反町:ダメか…(笑)。まぁ、僕はこれまで野ざらしできたんで、基本的なスタジオにおけるマナーとかルールとかを教わることになると思いますよ。でも、僕が隅っこをほじくって、さらに穴を開けてそこから先に見えるものは…みたいなことをグチュグチュ言う中で、彼に「それ、どこが面白いんですか?」って聞かれることは、僕にとって恐怖かもしれない。そういうチェンジオブペースがあると良いんだろうなという気はしています。

島田:それ、面白いですね(笑)

反町:そんなこと言ってる島田さんはですね、BSの『プライムニュース』の時で言うと、僕がいてメインのゲストがいるじゃないですか。そうすると、隣にいる女性アナは、例えば八木(亜希子)さんだと、質問をする時に自分がどうやって違う形の矢を放とうかと考えるんですよ。ところが、島田さんの場合。僕は、基本的に番組において、相手のトドメは刺さない主義なんですけど、彼女は後ろから追っかけてきて、相手の真ん中にブスっと刺す質問をするんですね。本人は自覚してるか分からないけど、見てる人にとって快感度は高いかもしれない。

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島田彩夏
1974年生まれ、愛知県出身。上智大学外国語学部卒業後、98年にフジテレビジョン入社。『報道2001』『FNNスピーク』『BSフジLIVE プライムニュース』などを担当後、17年10月から『みんなのニュース』メーンキャスター。18年4月から引き続き同時間帯の『プライムニュース イブニング』メーンキャスターを担当。

島田:私、昔『スーパーニュース』でフィールドキャスターをやっていって政治家を囲み取材するときに、「これ聞いてこい」って言われてた質問をポーンって入れて、周りの政治部の記者さんをザワッとさせることがよくあったんですよ。「なんであんなこといきなり聞くんだ、失礼じゃないか」って怒られたことも何度もあるんですけど、そこで思っていたのは、自分は政治家との関係性とか意識してないし、「あいつ聞いちゃったよね」って言ってくれれば、それが私の役割だからいいやって思ってたなぁって、今の反町さんの話を聞いて思い出しました。

反町:ヒットマンなんだよ。

倉田:ヒットマンか…。

島田:いや、そんなことないんですよ! すごく優しいんです。

反町:え? 自分のこと言ってるの? これは絶対カットだよ!(笑)

"反町ロス"は瞬間的なもの

――反町さんは、ご自身が立ち上げからずっと携わってきた『プライムニュース』という看板が、フジテレビの報道全体のブランドになったことに対して、感慨深いものとかあるんですか?

反町:僕が決めたことでもないし、何の相談も受けてないし、僕の範疇じゃないですよ(笑)。ただし、僕が地上波の番組を作ってる人間だったら、「こっちはフジテレビ地上波のニュースというのやってきたのに、なんでいきなりBSの看板を背負ってやんなくちゃいけないんだよ」って思わなきゃウソ。会社としての広報戦略・事業戦略があるから、それを併せ飲むのは組織人として有り。ただその中で、『プライムニュース』の看板は一緒だけど、地上波のニュースというのはこういうものだという矜持がなければ、僕は意味がないと思うし、報道局の人間が皆そういう気持ちであると信じたい。

――そんな中、反町さんのTwitterでは、BSから去ってしまうのが寂しいという声が相次いで、「反町ロス」という言葉も見られました。

反町:それは瞬間的なものでしょう。BSの『プライムニュース』が次の人間で続いていけばいいんですよ。僕はこの話が出るといつも言ってるんですが、「あの番組を僕一代で終わらせるんですか?」って。例えば、TBSには『報道特集』という番組があるけど、キャスターが代わり番組の構成も変わるけど、ずっと続いているじゃないですか。そういうものをBS『プライムニュース』で目指すのであれば、次の人間でテイストや構成が変わっても、なんとなく一貫性を持って続けなきゃ、しょうがないでしょと。そんな話を、この3~4年言い続けてきたんですけど、それで地上波に行くというのは予想外でした。抜けるまでは想定内、行った先は想定外。