自分を苦しめているこだわりを手放せたら楽になる

山下さん: それから、何においても『自分で決めて、自分だけで勝手にこだわっていること』ってみんな少なからず持っていて、それが自分自身を苦しめているケースがあると思うんです。ともみさんが行っている活動の中で、何か一つでも自分を苦しめているこだわりが手放せたら、楽になるかもしれませんね。

ともみさん: そう考えると、不妊治療で毎月通院していたのですが、隔月通院に変えてもいいのかなと思いました。不妊治療をやめるのではなくて、自分の生活の中に組み込んで続けながら、休む時間をとる選択肢もありますものね。

山下さん: そうですね、一度自分が決めた基準をゆるくしてみるのもいいと思います。まずは"試してみる"ことから始めてみませんか?

例えば、家事を手抜きしてみようと考えて掃除の頻度を落としたら、本当はきれい好きなのに部屋が汚くなって逆にストレスになった、というケースもあるかもしれません。試してみて初めて、掃除の頻度を保つことは自分にとって『譲れないポイント』だとわかります。反対に料理や洗濯の工数を減らしてみたらうまくいったということであれば、それは『そぎ落とせるポイント』です。

ぜひ仕事や家事・育児、プライベートな活動の中でも『譲れないポイント』と『そぎ落とせるポイント』を探してみてください。小さなことで構いません、こだわりを一度手放してみることで、自分を楽にしてくれる大きな気づきや発見が得られるかもしれませんよ。

山下真実

株式会社ここるく 代表取締役・社会起業家・2児の母。 米国留学によるMBA取得、米系投資銀行・金融コンサルを経て、ママになったことをきっかけに子育て支援という全くの新領域へ。人気レストランから選べる託児付きランチサービス「ここるく」を2013年にスタート。サービスを通じて集まる働くママのインサイトと、MBA・コンサルで得た専門知識の両面から、ママ向けサービス開発や育休復帰・働き方改革コンサルティングなども手掛ける。
『第14回女性起業家大賞』、三菱UFJ銀行主催『Rise Up Festa』最優秀賞受賞。

比恵島由理子

イラストレーター、2児の母。早稲田大学を卒業後、一般企業に就職するもデザインの道を志し、東京デザイン専門学校で学ぶ。編集制作プロダクションで実用書を中心とした書籍編集・イラスト制作を経験した後に独立。現在はWebメディア向けに活動中。自身の出産体験や子育てについてnoteに掲載している。