5歳で芸能活動を開始し、数々のドラマや映画、舞台で活躍している鈴木梨央が、今年2月10日に20歳を迎える。新成人の鈴木にインタビューし、芸能界入りを決めた15年前の思い、人生の分かれ道となったNHK大河ドラマ『八重の桜』(2013)にまつわるエピソード、今の女優業への思いや今後の抱負、憧れの存在など話を聞いた。
2010年に日本テレビ系ドラマ『Mother』を見て「芦田愛菜ちゃんみたいになりたい」と思い、芦田が所属する事務所のオーディションを受け、芸能界に飛び込んだ鈴木。当時のことを今でも「覚えている」と語る。
「人見知りで泣き虫で、やりたいこともないというのんびりした女の子でしたが、母がドラマ好きということもあって小さい頃からドラマを見ていて、初めてすごく集中して見た作品が『Mother』でした。自分もこの世界に入ってお芝居してみたいという気持ちになり、オーディションを受けさせてほしいと母に泣きながら何度もお願いしたのを覚えています。それが生まれて初めてのお願い事で、母も『そんなに言うなら応援するよ』と言ってくれて」
5歳にして自分が本当にやりたいことを見つけ、それ以降、芸能界から離れたいと思ったことは一度もないという。
「『このお仕事じゃなかったら何になっていたかったですか?』という質問をいただくことがありますが、想像できないんです。このお仕事が好きですし、生まれて初めてしたお願い事だったので」
鈴木の熱意に母親も驚いていたそうだ。
「それまでもスイミングや空手などいろんな習い事を試していましたが、泣いちゃったり、もじもじしてしまったり。そういうことなく無我夢中にオーディションに挑んでいる姿は母もびっくりしたみたいです」
『Mother』を見て憧れた芸能界。実際に入ってから「テレビに出るって簡単なことではないんだと思い知らされました」と振り返る。
「5歳の自分は全く知識がなかったので、頑張ったらすぐ愛菜ちゃんみたいにテレビに出られると思っていたし、撮影もすぐ終わってすぐ放送されると思っていましたが、全然そんなことなくて。オーディションも、書類の段階で落ちてしまうことがたくさんあって、現実を思い知らされた瞬間がすごくありました」
当時は事務所のレッスンに全力を注ぎ、演技の勉強に励んだ。
「毎週日曜日のレッスンにかけていました。平日は、小学校から帰ってきてレッスンの台本を読み込むというのが、自分の中での勉強であり遊びで、それがすごく楽しくて大好きでした」
そして、2012年にフジテレビ系ドラマ『カエルの王女さま』で子役としてデビュー。「3次か4次ぐらいまでオーディションがあり、決まった時はすごくうれしかったです」と当時の喜びを語る。