日本での撮影は「日本で留学生活を送っているような気分でした」と振り返る。

「別の国でお友達ができるという感覚で、自分は距離感も感じずとても楽しくて、早い段階から親しくなれたかと思います。お芝居をしながら、相手役の方に対して、自分はちゃんと大丈夫かな? 邪魔になっていないかな? 上手くいってるかな? と、毎回確認しながら演じさせていただきました。でも、冗談を言ったりしながら、楽しく撮影をさせていただきました」

一番共演シーンが多かったのが、次女・都子役の多部未華子だ。

「多部さんとはお互いの文化を少しずつ共有しあえたと思いますが、特に私は多部さんに『日本語でこれはどう言うのですか?』と質問することが多かったです。『告白をする時に、多くの人はどんな気持ちになるんですか?』的な質問もしたし、とにかくたくさんお話をさせていただきました。また、みなさんが私の日本語をめちゃくちゃ褒めてくださり、『もともと日本語ができる方だと思っていました』とも言ってくださったので、より一層、浮足立ってしまいました」と笑顔を見せる。

本作はもとより、今や国籍に関係なく、世界中の俳優陣がボーダレスに様々な作品で共演する時代となったが、ジョンヒョクの今後の目標は「日本語の通訳なしで楽に会話ができるようになること」だと語る。

日本映画も大好きだそうで、好きな作品について尋ねると、是枝裕和監督作『万引き家族』(18)や『怪物』(23)、犬童一心監督作『ジョゼと虎と魚たち』(03)などを挙げる。また、岩井俊二監督作『Love Letter』(95)は子供の頃に観ていたそうで、いつか一緒に仕事をしてみたい監督についても、是枝監督や岩井監督などの名前を出しつつ「日本の監督をたくさん知っているわけじゃないのですが、僕を求めてくだされば、どんな役でもやらせていただきたいです」としっかりアピール。

今後の目標については「ヒール、悪役を演じてみたいです。今まで生きてきた中で、自分がしたことのない表情が出てくるのではないかと思いますし、自分でもびっくりするような発見ができそうなので。また、人間としていい俳優になりたいです。良いエネルギーを拡散できるような俳優になりたいです」と語った。

最後に『スロウトレイン』を楽しみにしている人たちへ「僕にとっては日本のドラマに初参加した作品ですが、本当にとてもワクワクして楽しめました。3人の姉弟の物語がとても良いですし、僕が演じた役や日本語のセリフもぜひ楽しみに観ていただければと」とメッセージを送った。

■チュ・ジョンヒョク
1991年7月27日生まれ、韓国出身の俳優。『ユミの細胞たち』(21~22)、『ハピネス』(21)を経て、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(22)の弁護士クォン・ミヌ役で人気を博す。その他の出演作に『D.P. -脱走兵追跡官-』(21)、『スパイモデル』(22)、『正直にお伝えします!?』(24)などがある。

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