OPPOのハイエンドシリーズ「OPPO Find X」の最新モデルとして「OPPO Find X8」が登場しました。国内では実に3年ぶりとなる同社のハイエンドスマートフォン。カメラ機能を進化させた最新モデルをチェックしました。
Hasselblad監修の高性能カメラ
「OPPO Find X」シリーズは、同社でのハイエンドスマートフォンのシリーズです。日本国内でのリリースは2021年に「Find X3 Pro」が投入されて以来で、その間もグローバルでは機種を重ねていたため、型番は一気に「8」となりました。海外では「Find X8 Pro」もありますが、今回日本で投入するのは無印の「Find X8」のみとなります。
「Find X8」と「Find X8 Pro」の違いは、主に画面サイズとカメラスペック。「Find X8 Pro」だと3倍と6倍という2つの望遠カメラが搭載されています。「Find X8」ではカメラが1つ減っていますが、デザイン的には共通化されています。
カメラのデザインは、最近のハイエンドスマートフォンで流行の円形でカメラを強調したもの。ライバルとなりそうな「Xiaomi 14 Ultra」や「AQUOS R9 pro」よりもコンパクトですが、カメラライクでインパクトのあるデザインとなっています。
その「Find X8」のカメラのスペックですが、メインが5,000万画素のソニー製LYT-700センサーを搭載。レンズの焦点距離は24mm(35mm判換算時、以下同)、F値はF1.8。超広角カメラは5,000万画素のSamsung JN5センサーで、レンズは15mm/F2.0。3倍望遠カメラは、5,000万画素ソニーLYT-600センサーを採用しており、レンズは73mm/F2.6です。
全て5,000万画素のセンサーでピクセルビニングを活用しているため、センサーサイズ以上の画質が期待できます。
面白いのは、デジタル処理で焦点距離を細かく切り替える機能で、レンズ交換をするように画角を変えることができます。物理的な焦点距離は前述のとおり15mm/24mm/73mmですが、画面のズームボタンで「1」のところをタッチすると「28mm(1.1x)」「35mm(1.4x)」が順次切り替わります。
さらにズームボタンは「2」(48mm)があります。これもメインカメラの2倍デジタルズームです。光学倍率の「3」(73mm)は、さらにタッチすると「3.4x(85mm)」に切り替わり、さらにズームボタンとして「6」(146mm)まで用意されています。
無段階でのズームも可能ですが、タッチするたびにレンズ交換するように焦点距離が変わるので、個人的に撮影としてはより楽しく感じます。デジタルズームは最大120倍まで。かなりの高倍率ですが、画質はそれなりです。
画質を変えるフィルター機能では、フィルム写真のような効果を加えるという「フレッシュ」「エメラルド」「クリア」の3種類を加えた計15種類を用意。
画質面では、なんと言ってもスウェーデンのカメラメーカーHasselbladと密接に協業して開発したという点がポイント。実際の写真を見てみると、色のりが過剰になることもなく、自然な色合いになっています。色味にこだわったというのがOPPO側のアピールですが、自然な色合いでリアルな描写が特徴だと感じます。
メリハリのある描写で、全体的に画質は良好です。強めのHDRでややノイジーになるシーンも見受けられますが、過剰というほどではないので見栄えはします。特にメインカメラは細部まで良好に描写してくれます。
望遠カメラと超広角カメラは同等の描写性能という印象です。画質はメインカメラほどではないのですが扱いやすい画角。「Find X8 Pro」と違って5倍望遠カメラが存在しないのは残念ですが、普段のスナップ用途であれば問題ないでしょう。
Find X8は望遠カメラも大きなサイズのセンサーを搭載した点をアピールしていますが、1型センサーを搭載したハイエンドスマホだと、望遠カメラのセンサーも大型化しています。このあたり、メインカメラ以外も大型センサーで高画質化という傾向にあるようです。
カメラの機能としてはオートモードに加えてプロモードや動画、ポートレートといった一般的な機能を搭載しているほか、「XPAN」が特徴的です。これはHasselbladで特有の約1:2.7というアスペクト比のモード。面白い画面効果なのではまると楽しい機能です。
カメラの画角を細かく変更できる機能といい、このXPANといい、撮影の楽しさを追求している点が魅力です。最近はハイエンドスマホのカメラがより本格的な方向になっていますが、1型センサー搭載とまではいかないものの、その分コンパクトに仕上がっているのが「Find X8」の特徴です。
高速連写と被写体のスピードを検出してシャッタースピードなどを調整してブレを抑えるという機能もあります。シャッタースピードとISO感度を上げつつ、画像処理も加えているようですが、画質面では劣化するものの被写体ブレが抑えられるのは便利です。