PUT(総個人視聴率)の低下への対策について、日テレの江成氏は「一つでも祝祭性のあるコンテンツを開発していきたい。今は『24時間テレビ』を含めた大型の番組や、『~WEEK』の展開をやっていますが、各局様がお持ちのいわゆる賞レースだったり、そういったものを我々もさらに開発しているところです」と説明。
テレ朝の河野氏は「テレビの特性でもある生中継を重視していきたいと思っています。大型のスポーツコンテンツは、サッカーワールドカップの予選、WBC、バスケット、フィギュアスケートといった大型案件を、これまでは1社独占でやっていたんですけど、昨今は複数局で同じコンテンツを盛り上げていくことで、PR量も増えて、テレビの魅力をみんなで高めていきたいと思います」と狙いを述べた。
フジの中嶋氏は「一番大事なのは、バラエティにしろドラマにしろ、テレビにしか作れないものを作りたい。『ドッキリGP』や『新しいカギ』という番組は、テレビ局が何十年も紡いできた美術さん、技術さんのノウハウを結集して作っているので、YouTubeや配信のメディアの方が真似事でやるコンテンツよりは一歩も二歩も先を行ってると思います。タレントさんからも“テレビにしかできないことがいっぱいあるから、テレビでお仕事をやりたい”とおっしゃっていただいています」と力説した。
アニメコンテンツは「増える傾向に」
近年アニメ枠が増加していることについて、金曜23時に『FRIDAY ANIME NIGHT』枠を編成する日テレの江成氏は「出版社さんからの評判は非常に良くて、作品にもよりますが、特にコア視聴率を中心に前枠から上昇しています」と実績を紹介。
この10月改編で、フジとテレ朝も新設して金・土の23時台にアニメ枠が集中することになったが、江成氏は「23時台は全国ネットがしっかり引けるので、全国で同時に視聴してSNSで盛り上がる」と利点を挙げ、「今後もアニメコンテンツはタイムテーブルの中で重要なコンテンツとして、徐々に増えていく傾向にあるのかなと思っております」と予測した。
フジの中嶋氏は「『鬼滅の刃』のように映画と連動して社会現象が巻き起こせるのもテレビの一つの強みだと思っています」とし、23時台のアニメ枠については「増える傾向にあるのかな」と、江成氏に同調した。
「テレビカンファレンス」各セッションをアーカイブ配信
「テレビカンファレンス2024」では他にも、テレビやテレビ局を活用した施策・企画・効果などを紹介する様々なセッションを実施。一部を除くステージプログラムに関しては、きょう2日15時から31日まで期間限定でアーカイブ動画が配信される。視聴登録は、イベントの公式ホームページから。