各局のタイムテーブル戦略についても説明。日テレの江成氏は「GP帯は長寿番組が多く並んでいるので、レギュラー番組を安定的に運行することを一番大事にしています。いろんなレギュラー番組がございますが、毎週毎週ある程度のコマ数をしっかりと確保して安定的に運用するということが、現在の日本テレビの考え方でございます」とした。

テレ朝の河野氏は、10月改編で投入した報道・情報番組『有働Times』について説明。「スタートして1か月経ったところで少しずつ認知度が広がって視聴率にも反映してきたところです。この番組は22時15分までの枠ですが、大型企画の時は22時半ですとか、あるいは2時間編成を組んで、今後も力を入れて番組を作っていこうと思います」と展望を述べた。

TBSの三島氏は「全時間帯にお金をかけ、時間をかけ、労力をかけて作るというのが理想ですが、昨今は働き方改革や物価高や人件費の高騰などで、同じ内容のものを作るにしても、体感としては大体1.5倍ぐらい制作費がかかるようになってきています。『ラヴィット!』で言うと、1曜日に20人以上ADさんがいて、昔に比べて多くなっています」と前提を述べた上で、「予算を下げて縮小するとテレビがどんどん見られなくなってしまうので、配信やイベント、グッズなども含めたトータルの収支を1個1個のコンテンツでよりしっかり見ていこうということで、昨年の4月からドラマは制作費をガツッと上げました。日曜劇場はNetflixさんに負けないくらいのクオリティのものを出せているかなと自負しております」と全体の考え方を示した。さらに、『音楽の日』『お笑いの日』『オールスター感謝祭』『SASUKE』といった大型番組については、「テレビが作るコンテンツってすごいよねと思ってもらえるように、採算度外視とまではいかないですが、ドーンと力を入れてやっていこうと全体のバランスを考えています」とした。

フジ、週末GP帯番組は『27時間テレビ』を目標に

テレ東の工藤氏は、週6本まで増加した深夜ドラマについて、「配信でマネタイズしていくゾーンと考えています」と説明。この深夜帯ではドラマに限らず、マネタイズができるかを観点に企画を選んでいるという。また、「うちの局はよく“テレ東らしい”と言ってもらえますが、他の局の皆さんと同じことをやってもしょうがないという考えがベースにありますので、うちらしいこと・尖ったものをやっていく。何となく世の中からそういうことを期待されている感じもあるので、だいたいのことはチャレンジしていく方針で今後もタイムテーブルを作っていきたいと思います」と力を込めた。

フジの中嶋氏は、週末のGP帯番組について、「『FNS27時間テレビ』をいつか担えることを目標として、ただただ面白い、情報性なんていらないというくらいの構えでバラエティをやっています」と姿勢を提示。昨年は『千鳥の鬼レンチャン』、今年は『新しいカギ』をベースに『27時間テレビ』を放送したが、「土日のタイムテーブルから、来年の27時間、再来年の27時間をという意識でやっていく戦略です」とした。一方の平日は、5本のドラマに加えて、「情報を生かした面白いバラエティ」で、タイムテーブルに多様性を持たせている。