Netflixシリーズ『極悪女王』でダンプ松本役を熱演し、大きな話題を呼んだお笑い芸人・ゆりやんレトリィバァが、映画『ビーキーパー』(2025年1月3日公開)で日本語吹き替え声優を務めた。12月に拠点をアメリカに移し、ハリウッドスターを目指すと宣言しているゆりやんにインタビュー。本作にまつわる話を聞くとともに、仕事に対する思いや、海外進出を間近に控えた今の気持ちを語ってもらった。
本作は、組織的詐欺集団に全財産をだまし取られた恩人の復讐のため、そして世界の秩序を守るため、 “ビーキーパー(養蜂家)”が立ち上がり死の果てまで追いかける痛快リベンジアクション。ゆりやんは、主人公の養蜂家アダム・クレイ(ジェイソン・ステイサム)が過去に所属していた特殊工作員組織“ビーキーパー”の一員であり、クレイの後任を任された凄腕の持ち主アニセット(メーガン・レイ)の吹き替えを担当した。
――『ビーキーパー』への参加が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
うれしかったです! まず作品を見させてもらったんですけど、「アニセットこの人や! 最高!」と思いました。とても重要な役で。
――作品の魅力はどのように感じましたか?
もう面白すぎて! やりすぎて笑っちゃいました。よくこんなリベンジ方法を思いつくなと。
――アニセットを演じる際に意識したことを教えてください。
ピンクの服でかわいい感じかなと思ったんですけど、監督が「ドスの利いた感じでお願いします」とおっしゃっていたので、そこを意識してやったらめっちゃ楽しかったです。
――アニセットとご自身の共通点や共感したポイントを教えてください。
アニセットの内面的なところは想像でしかないんですけど、おしゃれでかわいくて、きっと仕事に誇り持っているんだろうなというところはすごく尊敬していますし、こうなりたいなと思います。職種は違いますけど。
――本作への参加はご自身にとってどんな経験になったと思いますか?
本当に大きな大きな……海外に行った時に一つの名刺としてアピールできるものが増えてうれしいです。
――本作は復讐劇ですが、ゆりやんさんは悲しみや怒りなどをエネルギーに変えて奮起したような経験はありますか?
私はずっと常に「復讐したい」「見返したい」という気持ちでやってきたんですけど、最近友達から「そういうのはもう終わりにしよう」「平和にいこう」と言われて、確かになと思ったんです。
――最近まで「復讐したい」「見返したい」という思いがあったということですが、それが芸人として頑張っていくエネルギーに?
そうですね。私は学生時代に仲間に入れなかったので、有名になって「友達やったよね」と言ってくるようにしてやろうとか、お笑いを始めてからも、みんなに言われたことやつらかった経験を思い出して、見返してやろうという気持ちをずっと持っていました。
――特に見返してやろうとエネルギーになったエピソードを教えてください。
賞レースもそうですが、忘れられないのが……まだ大阪に住んでいた芸歴2~3年目頃に、東京に呼んでもらうことが増えて、マネージャーと大阪から東京に行って「一緒に頑張ろう」みたいな感じでやっていたんですけど、東京のスタジオで収録があった時に、みんなタクシーチケットをもらって帰っていたのに、私はもらえず、マネージャーと駅まで歩いたんです。それが悔しくて、「タクシー乗って帰れるように頑張ろう!」と思いました。
――そういった悔しさをバネにされていたけれど、友達の言葉で変化があったと。
ハワイに住んでいる友達で、ハワイから帰ってこられていた時に会って話をしていたら、「復讐はもういいんじゃない!? 終わりにしよう!」とハワイのハッピーオーラみたいな感じで言ってくれて、もういいかなって。
――すんなりと友達の言葉を受け入れられたのは、今の状況にご自身が満足できているというのもあるのでしょうか。
そういうわけではなく、ここから先に行くためには、自分の気持ちを変えないといけないと思ったので。復讐で出せるバネはもう錆びた!
――かっこいいフレーズですね(笑)
復讐に使いしバネ錆びにし(笑)
――今後はどんな感情が原動力になりそうですか?
楽しさですね。楽しいという感情で動いた方が気持ちも楽な気がするので、今後は楽しいを大事にしていこうと思います。