これまで様々な角度で“即興お笑い”コンテンツを作ってきた橋本氏。今回の番組を通して、その魅力を改めて感じたようだ。

「『有吉の壁』のおかげもあって、即興でネタを見せる芸人さんの魅力や素晴らしさを知って、この前の『内村プロデュース』(テレ朝)の復活もめちゃくちゃ楽しくて、芸人さんの地肩のすごさを見させてもらいましたが、YouTubeやTikTokがどんどん世の中を席巻し、よりリアルなコンテンツが人に刺さるようになってきたと思うんです。

 そこで、とても過酷だけど芸人さんが輝くステージを作りたいという欲求が自分にあった中で、『THEゴールデンコンビ』はまさにそういう場になったのではないかと思います。コントセットがステージにせり上がってくる、目の前に200人の観客がいる、自分が組んでみたいと宣言した相方とネタをやる……どこまで芸人さんを追い詰めるんだという話ですが(笑)、これを全部こなしたからこそ爆発力が出てくる。それが編集をしていても伝わってきます」

数か月経って「あの日は夢を見ていたのだろうか」

本番前は「胃が痛い」「不安だ」と吐露していた芸人たちだが、収録を終えると「今日はお笑いをやり切った!」と充実の表情を見せていたのだそう。「それがすごくいい顔でカッコよかったので、そういう場がPrime Videoさんの中に生まれたというのは、めちゃくちゃワクワクするし、楽しいなと思いました」と手応えを振り返る。

収録から数か月が経って、参加芸人と別番組の収録で会うと、「あの日は夢を見ていたのだろうか」といった言葉を聞くそうで、「皆さんの中に強烈に残った1日だと思ってもらえるのは、クリエイターとしてすごくうれしいです」と喜びに。

この感覚は、自身もこれまで番組を作ってきた中で、特に手応えのあった収録で覚えることがあったそうで、「『ゴールデンコンビ』の収録スタジオから自宅が近かったので、収録が終わってもあの感覚をゆっくり味わいたくて、誰とも飲みに行かず、一人で歩いて帰って、“こんな贅沢な時間はないな”という思いにふけていました(笑)」と明かした。

最近ではハナコ、吉住、かが屋ら出演する縦型ショートコントコンテンツ『本日も絶体絶命。』を手がけ、timeleszの佐藤勝利とダウ90000の蓮見翔が出演するYouTube発のコントライブ『佐藤勝利のすべて』(11月11日~13日、東京・ニューピアホール竹芝)も控える橋本氏。

「芸人さんもクリエイターも、作りたいコンテンツに熱量を持って取り組み、そこに応援してくれるプラットフォームさんとちゃんと向き合ってやっていくという形が改めていいなと感じているので、これからよりコンテンツファーストの時代が進むと思っています」と、身を持って感じているようだ。

  • 橋本和明氏

●橋本和明
1978年生まれ、大分県出身。東京大学大学院修了後、03年に日本テレビ放送網入社。『不可思議探偵団』『ニノさん』『マツコとマツコ』『マツコ会議』『卒業バカメンタリー』『Sexy Zoneのたった3日間で人生は変わるのか!?』などで企画・演出、18年・21年の『24時間テレビ』で総合演出を担当。『寝ないの?小山内三兄弟』『ナゾドキシアター「アシタを忘れないで」』『あいつが上手で下手が僕で』などドラマ・舞台の演出も手がける。22年12月末で日テレを退社し、個人会社「WOKASHI」を立ち上げてフリーに。現在は『有吉ゼミ』で演出、『有吉の壁』で監修を務めながら、『名アシスト有吉』(Netflix)、『愛のハイエナ』(ABEMA)、『横道ドラゴン』(DMM TV)など配信コンテンツも手がけ、『本日も絶体絶命。』といったショートコントコンテンツも演出。11月11~13日にはYouTube『佐藤勝利のすべて』発のコントライブ公演も。Z世代をターゲットとしたマーケティングのトータルプロデュースを行うQREATION社の取締役も務める。

●Amazon Original『最強新コンビ決定戦 THE ゴールデンコンビ』
MC:千鳥(大悟、ノブ)
出場芸人:
1 高比良くるま(令和ロマン)&野田クリスタル(マヂカルラブリー)
2 せいや(霜降り明星)&秋山寛貴(ハナコ)
3 堀内健(ネプチューン)&屋敷裕政(ニューヨーク)
4 長田庄平(チョコレートプラネット)&じろう(シソンヌ)
5 澤部佑(ハライチ)&真栄田賢(スリムクラブ)
6 平井まさあき(男性ブランコ)&堂前透(ロングコートダディ)
7 サーヤ(ラランド)&KAZMA(しずる)
8 津田篤宏(ダイアン)&永野
番組サポーター:林瑠奈(乃木坂46)
話数:全5話