――ご自身の持ち味や武器についてはどのように考えていますか?
生まれも育ちも根っからの関西人で、私の厚かましさや「いってしまえ!」というやけくそ精神がいい形になって出ているのかなと。関西人ならではの勢いをどんどん出していけたらと思っています。
――子供の頃からザ・関西人という性格でしたか?
おばあちゃんとおじいちゃんにすごくかわいがってもらって、大人の前ではお調子者でしたが、外では人見知りで目立つタイプでもなく、仲のいい友達の前だけではしゃぐ感じでした。でも、おじいちゃんとおばあちゃんを笑わせようとするのが好きで、すごく褒めてくれるのでうれしくて、褒めてもらうためにやっている感じでした。
――芸人になりたいと思ったのもおじいちゃんおばあちゃんの影響が大きいのでしょうか。
めちゃくちゃ大きいですね。子供なので同じことを繰り返すんですけど、いつも「面白い」と言ってくれて、それがうれしくて。今1人で活動していますが、お客さんに笑ってもらった時に、昔おじいちゃんとおばあちゃんに「面白いね」と褒めてもらった感じがよみがえってきて、生きている感じがします。やっぱりお笑いを続けていきたいとも思いましたし、褒めてもらえるごとに楽しさが増しています。
――昨年『女芸人No.1決定戦 THE W 2023』に6年ぶりに出場されました。感想をお聞かせください。
それまで10分のネタを作っていたので、2分とか3分のネタの作り方を忘れてしまっていて、難しかったです。コンビのネタで2分にするのも難しいのに、さらにピンのネタで2分となるといろいろな問題が出てきて、やりたいことが収まらないという時間の壁にぶつかりました。
――短いネタのコツは少しずつつかめてきましたか?
そもそも作り方を変えないといけないというのがわかりました。10分に慣れているので、目の付け所が長くやったほうが面白いネタのほうにフォーカスしてしまう癖がついているんですけど、2分のほうが盛り上がる題材を見つけないといけないなと。1年目、2年目の頃のネタの作り方をもう一度しないといけないので、本当にすべてが心機一転です。
――『R-1グランプリ2024』にも、10年以下の芸歴制限が撤廃され出場されましたが、いかがでしたか?
楽しかったですけど、やっぱり難しかったですね。また時間の壁にぶつかりました。
賞レースにストレスも成長につながる大事な場「より極めていける」
――コンビ時代には『M-1グランプリ』にも挑戦され、2005年に女性コンビとして初めて決勝に進出されましたが、賞レースは馬場園さんにとってどういうものになっていますか?
『M-1』のときにストレスで髪の毛が大量に抜けてしまうことがあって、それぐらい追い込まれるものなんですよね。周りに面白い人たちがいすぎて、それを超えるためには自分の限界を超えないといけないという意識のせいで、ストレスがすごくて。ずっとそのことばかり考えて、普通に街を歩いていても、もっといいネタできないかなと。のんきな人を見るとイライラするぐらい心が荒れてしまって。自分を追い込み、もっといいものを作ることに挑戦できるのはすごくありがたい環境ですが、女性としてはやさぐれます(笑)
――苦しさはあっても、挑戦したいという思いのほうが強いから、再び出場しようという思いに?
そうですね。挑戦することによって自信にもなりますし、それがあるからもっといいものを作ろうという気持ちにもなれるので。ただ楽しいだけのネタはたくさん作れると思いますが、賞レースがあることによってより極めていけるというか、余計なものを取り払ったいいものが作れるきっかけになるので、それはありがたいと思っています。
――今は単独ライブのネタ作りと賞レースのネタ作りを並行しているのでしょうか。
単独ライブで自分が純粋にやりたいネタも、賞レースでやりたいネタも、何本も並行して作っていて、どちらも単独ライブで見てもらおうと思っています。