――『M-1』挑戦は続けるも、あくまでも劇場を第一に考えて活動していくわけですね。
昴生:そうですね。昔からNGKで一番ウケる漫才師になりたいという思いがあり、そこを目指していきたいです。あと、『上方漫才大賞』を目標にしています。僕らの中では『M-1』よりすごいので。
亜生:『M-1』はその日の出来がいい人ですが、大賞は年間通して全部見ての評価なので。
昴生:『上方漫才大賞』は認めてもらったなという感じが本当にある。関西の人間やから小さい頃から見ていて、あれに選ばれたら真の漫才師やと思っていたから、あれは欲しい! そこを意識してもいいんやというところまで来ていること自体、誇らしいです。『上方漫才大賞』なんて夢のまた夢やと思っていたので。『上方漫才大賞』が取れたら人生最高ですね!
亜生:あれはもう漫才師です!
――『上方漫才大賞』を取った方で、特に憧れている人は?
昴生:中田カウス・ボタン師匠、オール阪神・巨人師匠、トミーズさんとか見ていましたが、僕らが一番お手本にしているのは、夢路いとし・喜味こいし師匠……いとし・こいし先生です。
亜生:先生って言うのやめてって言ってるやん(笑)。恥ずかしい。弟子にしてもらったわけでもないのに。
昴生:でも本当にいとし・こいし師匠を見て、面白くて衝撃を受けたので。そこを目指してやっていきたいという憧れがあります。
亜生:もっと近いところでいうとミルクボーイさんはマジですごいです。新ネタもいっぱいやっているし、ちゃんと漫才と向き合っていて。
昴生:ミルクボーイさんはほんまにすごい。真の漫才師です。中川家さん、やすとも(海原やすよ ともこ)さんももちろんそうですけど。同じ兄弟なのが嫌なくらい、あの2組は君臨している。どうにかしてあそこを蹴落とそうと牙をむいています(笑)。兄弟漫才師で比べられ、僕らはついていくだけですなんてスタンスでやっていたって一生勝てないので(笑)
亜生:中川家さんもやすともさんも、えぐいぐらいウケてますから。あの人らを生で見たら、漫才見たことない人は価値観変わると思います。
――中川家さんとやすともさんを超えるためには、どうなっていく必要があると考えていますか?
昴生:早くおじさんになりたいです。僕らはまだ若いから言葉に説得力がないんです。もっとおっさんになって、おっさんの言葉の説得力を持ちたいなと。いずれ亜生にも子供できたり、子供が結婚したりとかもあるやろうし、家族が増えたらまた幅が広がるので、これからが楽しみです。早く50代になりたい! 漫才師は40代後半からやろなと思います。
――亜生さんも早くおじさんになりたいですか?
亜生:僕はまだ若くいたい……老いは怖いです(笑)。漫才で考えたら年を取った笑いも楽しみですけど。(昴生は)焦っておっさんになろうとしていて、風格を出すようになったり、言い方をちょっと師匠に寄せたり。
昴生:多少は意識しています(笑)。ちゃんと職業として漫才師でありたいから、プロのしゃべり方ではいたいなと。
――昴生さんは2児のパパになり、亜生さんは結婚され、ネタの広がりをすでに感じていますか?
昴生:親になって登場人物に子供が出てくるようになったし、亜生の奥さんも出てくるようになって、広がっています。漫才師はプライベートも全部ネタにできて、失敗談もネタにできる。こんな最高の職業はないなと思います。