劇場を活動の主軸とし、毎年全国ツアー「ミキ漫」を開催している兄弟漫才コンビ・ミキ。今年は6月28日より全国11カ所12公演を巡る「ミキ漫 2024 全国ツアー」を開催する。ミキにインタビューし、「ミキ漫」への思いや結成13年目の今の活動について話を聞くと、「今が一番楽しい」と充実した表情。『M-1グランプリ』に縛られていた時期も経てたどり着いた、自分たちにとって心地の良いお笑いとの向き合い方、そして今後の目標とは――。
――まず今年の「ミキ漫」をどういうものにしたいと考えているかお聞かせください。
昴生:例年と構成的にはあまり変わりませんが、去年とは100%違う、テレビでやったことのない漫才ばかりなので、それを楽しみに見に来ていただけたら。本当のミキの姿がここにあります。
亜生:ミキの素が見られるのがこのツアーだと思うので、どんどん素を出していければなと。毎年楽しいので今年も楽しみです。
――劇場とテレビでネタを変えているわけですね。
昴生:劇場はお金を払って時間を割いて来てくださるので特別感があるし、僕らはそこを主戦場にしているので、劇場専用の漫才をお見せしたいなと。その漫才に飽きたら、テレビで皆さんに見ていただいて、劇場ではまた違う漫才を、というように入れ替えながらやっています。なので今年の「ミキ漫」も新ネタです。
――今年は11カ所中、6カ所が初開催となりますが、楽しみにしていることは?
昴生:今年も行ってないところにチャレンジしているので、楽しみは多いですね。秋田や佐賀は仕事でもあんまり行かないので。
亜生:営業で行ったとしてもすぐ帰る。ツアーはゆっくりできるのでうれしいです。
――お二人でご当地グルメを食べたり?
亜生:お兄ちゃんは食べ物なんですけど、僕は釣りが好きなので朝に釣り行ったりしています。
昴生:終わった後はみんなで打ち上げしますけど。
――劇場が主戦場というお話もありましたが、「ミキ漫」は活動の大きな軸ということですね。
昴生:そうですね。これを軸でやっていきたいなと。コロナで1回なくなったときにどうしようかなと思いましが、亜生が「どうしてもやりたい」と言うので、「じゃあやろうか」と。やり出したらやっぱりこれを軸に動くのが一番健全やし、自分らに合っていると思いました。僕らは全国いろんな場所で漫才をやりたいというのがモットーとしてあるので。
亜生:達成感があるんです。これがないと逆に何するんやろうと。ここの県のお客さんはこんな反応をするんだとか、そういうのも楽しいです。
――ここ数年で劇場や全国ツアーに対する気持ちなど、何か変わったことはありますか?
昴生:やっぱりコロナ禍が大きいですね。お客さんがいないと俺らの職業は成り立たないんやなとほんまに思ったし、お客さんが来てくれることがこんなにも幸せなんやなと、あの2、3年で気づかせてもらいました。
亜生:舞台に出たらお客さんがいるのが当たり前になってしまっていましたが、お客さんが来てくれることは本当にありがたいことなんだなと感じました。
――改めて、自分たちらしさはどのように考えていますか?
亜生:お茶の間、近所の子という感じですかね。
昴生:身近な存在。「兄弟を思い出しました」とか「うちの息子を見ているみたいでした」と言われるのがうれしいですね。ちゃんと等身大、平均のお兄ちゃん、弟だからだと思います。自分でも「俺、お兄ちゃん感出てるわ」って思いますもん(笑)
亜生:「弟ってこんなんやな」っていうのが僕です(笑)
――仕事のパートナーになっても関係性は変わらず?
昴生:兄と弟という芯のところは変わらないですね。仕事のパートナーという感じでもないし、ずっと兄と弟のままだと思います。