――私も東出さんのように人と仲良くなりたいです。
うーん。仲良くなると言うと、ちょっと難しいんですけど、多分、無理をしないということでもあると思うんです。仲良くなろうと思って、相手がすごい横暴だったとき……例えばバレーで、相手がスパイクを打っていて、自分はずっとレシーブしながら、トスもしてって、這いずり回ってたら疲れちゃう。でも、どこかで、自分は自分だし、他人は他人だっていうことの線引き、自己の確立みたいなのができると、人にもそんなに期待しないし、自分だってたかが知れてるっていう前提で話をして、それを受け入れられなかったら、受け入れてもらえなかったら、もう諦めるっきゃない。自分は自分っていうところがしっかりしてれば、いろんな人と対等に話せるんじゃないかな。対等に話した結果、面白がってもらえるなら、それでいいかなと思います。
――相手に悪く思われてしまう怖さはないものですか?
悪くは思われたくないけど、虚栄を張っても、自分はたかが知れてるっていう感じです。でも、それも予防線なのかな。自分が過度に傷つきたくないし、最初から弱い自分をさらけ出していたほうが、相手に何か失望されたときに、「いや、そんなもんなんです」と言うための逃げなのかもしれません。
――質問しておいてなんなのですが、東出さんくらい自己開示してくれる方にこれまで会ったことがなくて、正直驚いています。
だから、もうCMのオファーは二度と来ないと思います(笑)。メディアに携わるものって全てそうなのかもしれないですけど、昔、芸能人が生放送でタバコを吸っていた時代ではもうなくて、あらゆるものが漂白化された今の時代において、あらゆる人間らしい振る舞い、その人の欲がちょっとでも見える振る舞いが全て汚いものとされるのであれば、やっぱり、いい子の皮を被るしかなくなるじゃないですか。そういうキレイな社会になってるんだけど、僕みたいに俗物であり、清濁の濁の部分を多分に持っている人間がそのまま映ると、やっぱりキワモノになるんですよね。だから、企業はCMとかを任せられないだろうけど、それでいいかなって僕はハナから思ってるので。
ダイアンと共演「本当にかっこいい」
――その潔さが画面を通しても伝わるのだと思います。東出さんが出演されたバラエティ番組『ゲストダイアン』(ABCテレビ)放送後、SNSでは、東出さんの人柄に関する声も多く見られました。番組拝見したのですが、ダイアンさんとの掛け合い、とても面白かったです!
ダイアンさん、面白かったです! 僕、テレビを観ないから、存じ上げなかったんですけど、ユースケさんと津田さんですよね。最近はもう、共演する方のことも調べないんです。Wikipediaで調べて知った気になって、そこに書いてあることをなぞるようなトークしかしないのも違うのかなと思って。
――難しいところではありますが、それもダイアンさんとのトークが弾んだ要因の一つなのかもしれませんね。山の水で飲むウイスキーおいしそうでした。
津田さんがベロベロに酔っ払ってて、めっちゃ面白かったです(笑)。僕も酔っ払って、収録の後半は何を話したのか覚えてないんですけど(笑)。僕、プライベートで山里さん(※南海キャンディーズ・山里亮太)と仲良くさせてもらっていて、山里さんもプロだなと思うんですが、ダイアンさんもカメラが回った瞬間からめちゃくちゃプロでした。芸人さんは本当にかっこいいです。
――では最後に改めて、『世界の果てに、東出・ひろゆき置いてきた』の見どころを教えてください。
アフリカでも「こんなことが起こるのか!?」という悲喜交々の出来事があったのですが、僕は、南米のほうが倍くらいきつかったです。だからこそ、いろんな変化に富んだ番組になっていると思うので、気楽に観ていただいて、ど肝を抜かれていただければなと思います。
東出昌大
1988年2月1日生まれ。埼玉県出身。高校時代にメンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、モデルとしてパリコレのステージも経験。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューを果たし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。近年の主な出演作は、『スパイの妻〈劇場版〉』(20)、『コンフィデンスマンJP -英雄編-』(22)、『Winny』(23)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(24)など。