• 『イップス』4月19日放送の第2話より (C)フジテレビ

近年は脚本家としての活躍も目立つバカリズムだが、“俳優・バカリズム”をオークラ氏はどのように見ているのか。

「本当に人を観察する目があるので、実はいろんなことを演じられると思います。ただ、自分の感情がちゃんと合理的につながってるものじゃないとやりにくいんだろうなと思うので、そこがハマるとどんな種類でもできる。本当に何でもできるからすごいと思うんですけど、突然どこかの段階から上手になったイメージがあります」(オークラ氏)

それに対し、バカリズムは「最初の頃は芝居をわりと記号的なものでしかやってなかった部分があるんです。それは、日本映画学校の俳優科で、いわゆる演劇的な大きめの演技を強いられていたので、そこに反発して無機質だったり不条理なコントをやってたんですが、20代の頃にパターンをある程度やり尽くして行き詰まりを感じたので、ここからさらに広げていくには、もっと感情を入れたり、いろんなキャラクターを演じられるようにしなきゃいけないというのがあったんです」と、芝居の変化のタイミングを明かす。

オークラ氏は納得して、「たしかに、昔は怒るなら怒る、悲しむなら悲しむっていうルールで作っていたのが、ある時から微妙な感情を表現するようになって、“バカリズムってこんなに芝居がうまいんだ”と思って、役者業もできるんだろうなと感じましたね。笑ってるけど本当は怒ってるとか、見せている表情と思ってる感情が違うお芝居ができるようになっていて、それができる人ってなかなかやれそうでいないんです」と評し、「なので、そういうところを意識しながら(脚本を)書いてます」とのことだ。

掛け合いに手応え「ここってこんな面白かったっけ?」

今作でのバカリズムと篠原涼子の掛け合いを見たオークラ氏は「やり取りがすごく面白かったです。セリフを読んでもらったときに“あれ? ここってこんな面白かったっけ?”とうれしくなる瞬間があるんですけど、それが今回もあったので、そうなると“だったらもっとこんなこと言わせたい”となって、セリフがどんどん長くなっちゃう(笑)」と手応え。

一方のバカリズムは「今回は結構変わった演出があるんです。がっつりしゃべってるところに、途中インサートが入るから、せっかくセリフ覚えたのに、視聴者から見ると“本当に覚えたの?”ってなっちゃうんですよ。現場ではちゃんと芝居してるっていうのをアピールしたいです(笑)」と強調していた。

  • 『イップス』4月19日放送の第2話より (C)フジテレビ