◆消費電力測定(グラフ99~105)
最後に恒例の消費電力測定である。今回は
- 3DMark SpeedWay(グラフ99)
- CyberPunk 2077 2K(グラフ100)
- Hitman 3 2K(グラフ101)
- Metro Exodus PC Enhanced Edition 2K(グラフ102)
- Shadow of the Tomb Raider 2K(グラフ103)
の5つの消費電力変動と、その平均値(グラフ104)。及び待機時電力と平均値の差(グラフ105)をまとめてみた。もっとも待機時電力に関してはグラフ104のIdleで示すようにほぼ同等であり、なのでグラフの絶対値は兎も角傾向そのものはグラフ104と105で大きくは変わらない。
さて結果を見てみると、やはりGeForce RTX 4070 Superの低消費電力ぶりは圧倒的であり、Radeon RX 7900 GREは概ね60Wほど上乗せされる感じになる。Hitman 3だけ消費電力の差が少ないが、これはHitman 3が煩雑にScene Changeが入って消費電力があまり変わらない時間(グラフ101の60秒前後が判りやすい)が挟まるためで、稼働中はやはり60Wほど消費電力上乗せとなる。性能が同じならば消費電力が増えた分、どうしても性能消費電力比の観点でRadeon RX 7900 GREはGeForce RTX 4070 Superには敵わない。そもそも公称値でGeForce RTX 4070 SuperがTGP 220W、Radeon RX 7900 GREはTBP 260Wなのだから、これは予測された結果ではあるのだが。
考察
ということで駆け足ではあるが、Radeon RX 7900 GREを評価してみた。ラフに言えば「Ray Tracingを使わなければGeForce RTX 4070 Superと同等」というのはほぼ事実として良いと思う。
ただ、昔のゲームは兎も角昨今ではRay Tracingを有効化しているというか、無効化出来ないタイトルが次第に増え始めている事を考えると、そろそろRay Tracing Unitの強化をお願いしたいところではある。ただRay Tracingを有効化したタイトルであっても、GeForce RTX 4070 Superと同等のものはいくつかあったし、全体として見ればGeForce RTX 4070 Superの4%落ち程度の性能を維持しているのは、随分頑張ったと思う。
そんなRadeon RX 7900 GREの最大の売りは価格である。GeForce RTX 4070 Super発売当初の価格はこちらにある様に\99,800~\132,500と結構幅があるが、この原稿執筆時(2月21日)でのAmazonの最安値は\102,680ほど。対してRadeon RX 7900 GREの国内販売価格は、まだ正式な価格は示されていないが10万円を切る値段で投入予定とされており、どの程度切るか次第ではあるものの、9万円台前半なら悪くない買い物かもしれない。
しかしNavi 31を使ったカードがミドルレンジ扱いされてしまう昨今の性能のエスカレートぶり(というか、ゲームの求めるGPU性能の上がり具合)にはちょっと恐ろしいものを感じてしまう。AMD/NVIDIA共に、そろそろ次世代製品のアナウンスが欲しいところだ。