◆Game Benchmark総括(グラフ88~91)
ということで12種類のGame Benchmarkのご紹介が終わったところで、ちょっとすべてのゲームの平均フレームレートをまとめて相対性能を示してみた。
Radeon RX 7900 GREを100%としたものだ。2Kだけでなく2.5K~4Kまで全部示したのは、2KだとCPUボトルネックに陥った例(Far Cry 6、Tom Clancy's The Division 2)があるからで、もう少し上の解像度での相対性能も同時に示してみる必要があると感じたためだ。それぞれ12個の平均フレームレートについて相対性能を示した上で、最後に幾何平均を算出している。その幾何平均をまとめると
RTX 4070 Super | RX 7900 GRE | RX 7900 XT | |
---|---|---|---|
2K | 104.3% | 100.0% | 111.1% |
2.5K | 104.1% | 100.0% | 116.8% |
3K | 104.5% | 100.0% | 120.3% |
4K | 104.7% | 100.0% | 122.4% |
Total | 104.4% | 100.0% | 117.6% |
といった感じ。解像度に関わらず、おおむねGeForce RTX 4070 SuperはRadeon RX 7900 GREと比べて4%ほどフレームレートが高いといった傾向にあると考えられる。
もっともこれ、Ray Tracingを有効化したタイトル(Cyberpunk 2077・F1 23・Far Cry 6・Metro Exodus PC Enhanced Edition・Watch Dogs:Legion)を含んだ上での数字である。これに加えてAvatar Frontiers of PandoraもRay Tracing対応タイトルと扱うとすると、Ray Tracing未対応のゲームの場合の性能は
RTX 4070 Super | RX 7900 GRE | RX 7900 XT | |
---|---|---|---|
2K | 100.2% | 100.0% | 109.7% |
2.5K | 99.9% | 100.0% | 115.9% |
3K | 99.8% | 100.0% | 119.3% |
4K | 99.6% | 100.0% | 121.8% |
Total | 99.9% | 100.0% | 116.6% |
となり、ほぼAMDの主張する「GeForce RTX 4070 Superと同等」が確認できたことになる。まぁRay Tracingが鬼門なのは致し方ないところだ。
◆PCMark 10 v2.1.2662(グラフ92~97)
PCMark 10 v2.1.2662
UL Benchmarks
https://benchmarks.ul.com/pcmark10
一応Game以外でも普通に使える事の確認のためにこちらも実施してみた。まずOverall(グラフ92)であるが、PCMark 10 Extendedで性能差が大きいのは主に3DMark Firestrikeの結果が反映されているからで、無視してよい。そしてPCMark 10もそこそこに性能差があるのは、恐らくDigital Contents Creationと思われるので、これも無視すると、おおむね変わらないという結果になる。実際、PCMark 10 Applicationsのスコアはほぼ同等である。
Test Groups(グラフ93)でも、EssentialsとProductivityは言うほどの性能差がみられない。そのEssentials(グラフ94)で意外にApp Startupで性能差がでるのは良く判らないのだが、結果を見るとWritingのWarm/Cold Startupだけが妙に時間差がある。内部でOpenCLでも呼んでいるのかもしれないが、詳細は不明だ。ただ性能差があるのはそこだけなので、普通にはあまり関係ないと思われる。これはVideo Conferencingも同じである。
Productivity(グラフ95)も、Writingには性能差なし。Spreadsheetsでは内部でOpenCLを呼んでいるところで多少時間差がある程度で、やはり一般には関係なさそうだ。
Digital Contents Creationでは、Rendering&Visualizationの中で呼んでいる3DMark Slingshotの性能が結構違う関係でここで大差がついているが、これはGPU性能そのままである。Photo Editingも、ContrastとかUnsharpningなどをOpenCLを利用するところで所要時間が変わっており、このあたりはやはりGPU性能がそのまま影響する感じだ。要するにOpenCLを使わなければ殆ど差が無い、という格好である。その証拠にApplications(グラフ97)では差が無いも同然になっている。ということでOpenCLを使わなければほぼ性能差は無いこと、及びOpenCLを使う場合の性能は
GeForce RTX 4070 Super < Radeon RX 7900 GRE < Radeon RX 7900 XT
となることが確認できた。
◆TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.30.33(グラフ98)
TMPGEnc Video Mastering Works 7 V7.0.30.33
ペガシス
http://tmpgenc.pegasys-inc.com/ja/product/tvmw7.html
Ryzen 8000Gのベンチマークの際に、意外にRyzen 8000Gのエンコード速度が速い事を確認できたので、ではRadeon RX 7900と比較するとどうか? という事を確認したかったのと、こちらの記事にある様にGeForceの内蔵エンコーダが最大8streamまで同時対応になったので、これの効果を確認してみることにした。
ということで結果がグラフ98なのだが、まずNVIDIAに関しては相変わらず同時2streamまでだった。こちらによれば、GeForce RTX 4070 Superの場合はNVEncそのものは1基ながら、最大8streamまで同時に処理できることになっている。ここからは推察だが、多分この最大8streamのエンコードを可能にするためには、NVIDIAが提供するVideo Codec SDKも最新のモノにする必要があり、TMPGEnc側でこれを怠っているためではないかと思う。ただ同時2streamにしても、正直言って遅すぎる気がする。あるいはこれもSDKを最新のモノに入れ替えないとフルの性能を発揮できないのかもしれない。ちょっと別のエンコードソフトを利用すべきであった。
一方Radeonの方だが、Ryzen 7 8700Gの場合で4streamで131.3fps、2streamで121.1fpsほど。対してこちらは4streamで170fps超えであり、その性能差は明白である事が確認できた。