同書で密着を受けた約1年半。『舞いあがれ!』、『風間公親-教場0-』『ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と』『こっち向いてよ向井くん』などの現場で感じたことなど赤裸々に語っているが、この約1年半で役へのアプローチ方法が大きく変わったという。
「主観でしかお芝居できなかったのに、今では逆に主観でお芝居できないぐらい、お芝居に対するスタンスがガラッと変わりました。それが良いことなのか悪いことなのかわかりませんが、今の自分には合っているなと思っていて、作品が重なっていても苦しくないですし、あまり私生活に左右されることもないので、大きな変化だったと思います」
主観で芝居をしていた2022年までは、自分の演技を見て違和感を抱くことがあったと明かす。
「自分の感じている顔と表情が一致していない時があり、かつ、それが正解なようにも思えてなくて、『こういう感情だからこういう顔をしたつもりだったんだけど……』というズレがあったので、修正したいなと」
そして、『舞いあがれ!』の頃から客観的な芝居にチャレンジし、『教場』あたりでその感覚をなんとなくつかみ、『ペンディングトレイン』で完成できたそうで、客観的な芝居に変わったことで「平均点を出せるようにはなったのかもしれない」と成長を実感。「良くなったね」と言ってくれる人も増えたという。
演技において客観的な視点を持つように変わったのも、心をフラットに保てるようになったことが影響しているそうで、「フラットでいると、今自分はこうなんだと冷静に受け止められるからこそ、自分の視点が広がった感じがします」と自己分析。
今後も客観的な芝居を意識しつつ、作品によっては違うアプローチが必要になるかもしれないと考えているそうで、「渾身の一撃みたいなお芝居をするには、頭で考えることを捨てて感覚でやらないといけない時が来ると思うので、そういう時にまた壁にぶつかるんだろうなと思います」と想像していた。
ファンイベントなどでファンの熱量を実感
さまざまな作品に出演していく中で確実にファンも増えている赤楚。だが、自身はその実感は「ない」と言い、「人気があるかわからないというか、今でも不安でしょうがないです」と吐露する。
とはいえ、『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(『チェリまほ』)でのファンの熱量は「とてつもなかった」と言い、海外の人たちからの反響も実感。また、ファンイベントなどでも「ちゃんと熱意を持ってくれていることは感じます」とファンの熱い思いを受け取っているようで、「熱量が高い方が多い印象はありますが、イベントをやらせていただいた時もマナーがきっちりされていて素敵な人たちだなと。だからそのままでいてほしいです」とも話していた。