こうして実績を積み上げ、22年6月には日本法人「WEVERSE JAPAN」を設立。AKB48を皮切りに、MOONCHILD、imase、ちゃんみな、そしてスターダストプロモーションのEBiDANに所属する超特急、SUPER★DRAGON、ONE N' ONLY、Lienelなど、日本のアーティストたちが次々にコミュニティをオープンしている。
日本の芸能界は閉鎖的なイメージを持たれがちだが、「閉鎖的だと感じたことはありません。ビジネスを進めるにあたってお互いを理解するということにおいて、他の国に比べて少し時間がかかると感じることはあり、今もそのプロセスの中にいますが、Weverseのビジネスを丁寧に真心込めて説明してきたことがつながって、様々なアーティストの皆さんが参加してくれることになったのではないかと思います」と手応え。
各国の市場に合わせてサービスのローカライズを進めていくが、「コンサート会場での会場受取サービスは、元々アプリで商品を買ってピックアップするだけのものだったのですが、日本のチームから“時間も予約できるようにしてほしい”とリクエストがあったのです。これは日本のファンの声を聞いて反映することで、グローバルにより良いサービスが提供できるようになった事例です」と明かした上で、「Weverseは、グローバルなプラットフォームとして各現地のニーズを取り入れる方法を模索し、ファンが感じる不便さに対処して、一貫してサービスを改善するよう努めています」と、その姿勢を示した。
“ファン文化”が強く根付く日本市場は「重要な地域」
日本において解決したい課題の1つとして挙げるのは、「Weverse Albums」の扱いだ。このサービスは、音楽アルバムのQRコードを読み込み、楽曲だけでなく、フォトカードやフォトブックをダウンロードして楽しめるというもの。従来のアルバムのようにCD現物やプラスチックケースが不要でありながら、バーチャル上で“カタチ”として保管することができるため、環境問題への関心が高い傾向にある若い世代との親和性も高い。
だが、「韓国ではこれを購入するとチャートに反映されるのですが、日本ではまだセールスチャートの対象になっていないのです。やっぱりファンの方は自分の買った1枚でアーティストの成績に貢献したいという思いがあると思うので、日本だけでなくグローバルでもチャートにカウントされるようになるのが大事だと思います」と意識を語る。
日本市場を考えた時に、毎月・毎年単位で会費を払うファンクラブをはじめとした“ファン文化”が強く根付いていることは、Weverseにとってアドバンテージの1つであると捉えており、「日本市場は重要な地域の一つとして位置付けています」というジュンウォン氏。
「Weverseは日本のファンの皆さんにも同じようなオールインワンのサービスを提供することができるので、日本のアーティストの方がグローバルのユーザーとコミュニケーションをしたいという意向があれば、私たちは十分につなげられる機能を提供できます」とラブコールを送り、「これから日本のアーティストがたくさん参加予定ですので、ご期待ください。そして、グローバルの優れたアーティストに出会える場所として遊びに来ていただいて、日本の成熟したファンの皆さんにもWeverseで存分に楽しんでいただきたいと思います」とメッセージを寄せた。