リク・スオカス監督 写真:Harri Hinkka

フィンランドの映像業界で活躍するリク監督。日本は動画配信サービスが勢いを増し、娯楽の王様だったテレビ局は厳しい局面を迎えているが、「似たような流れはフィンランドにも起きています。テレビ局はまだ力を持っていますが、国民の目線が配信に向き始めて、様々なテレビ局が大慌てで配信プラットフォームを作っています」という。

この配信プラットホームについては、「2つの大きなサービスがあったのですが、それが合併して独占状態のようになったんです。すると、単純に1つ会社がなくなり、合併して残った会社もライバルがいなくなって精力的に新たなコンテンツを作る必要がなくなり、発注が減っています」と実情を明かす。

その上放送業界でも、フィンランド国営放送・Yleの予算が、政権交代によって大きく減らされるのではないか、という懸念が生じているのだそう。

「下手をしたら、今年のフィンランド全体のドラマ制作本数が、40%くらい減るかもしれないと言われていて、海外からお金を引っ張ってきたり、監督が映画に転身するという流れになっています。もともとフィンランドは人口が600万人ぐらいしかいない小さな国なので、海外で受けるというのを常に視野に入れて制作しているのですが、国際共同制作という形が、よりトレンドになっています」といい、どの国でもメディア環境の大きな変化が起きているようだ。

  • 『海外クルーを呼んでみた。』(南海放送・日本テレビ系、1月27日15:00~)
    フィンランドとインドの監督がそれぞれクルーを引き連れ、外国人知名度が低い愛媛のPR動画を制作。ロケのサポート役として、高岸宏行(ティモンディ)がフィンランドチームに、ノッチ(デンジャラス)がインドチームに参加する。スタジオでは小峠英二(バイきんぐ)とヒコロヒーがロケの様子をチェックし、日本とは違った海外ならではの予測不能な展開を見守る。

  • インドクルーのロケの様子

  • スタジオの様子