ガーミンの「Tactix 7 AMOLED」は野外利用を想定したスマートウォッチだ。アウトドア、それも“かなり特殊な”場面を想定してデザインされたモデルゆえに、ハードコンデションでの使用に耐えられる堅牢性を備えている。
もちろん、ガーミンのスマートウォッチなので、スポーツアクティビティやヘルスケアを指向した高機能アプリも用意している。そんな、すこぶるヘビーデューティーなスマートウォッチの使い勝手を見ていこう。
ハードダーティーな状況でも安心の堅牢性
ミリタリー機能や航空機能を搭載し、高難度のミッションやアクティビティに対応したGPSスマートウォッチ・Tactix 7 AMOLED。
野外行動中、しかも、Tactix 7 AMOLEDの想定ユーザーである「戦闘行動中の歩兵、特に狙撃兵」が使うスマートウォッチに求められるものといったら、とにもかくにも「表示された情報を瞬時かつ的確に読み取れる表示盤の見やすさ」と「外部からの衝撃や悪天候などにも耐えて動作し続ける堅牢性」だろう。
Tactix 7 AMOLEDの表示盤は直径1.4インチ(35.56mm)とスマートウォッチの中でも最も大画面の1つだ。Apple Watchのラインナップでこのサイズの相当するのは最もサイズが大きい「Apple Watch Ultra 2」しかない(ただし、Tactix 7 AMOLEDのディスプレイが円形であるのに対してApple Watch Ultra 2は方形)。
このスマートウォッチ最大級のディスプレイには、解像度454×454ドットという高解像度で情報を表示できる。
前機種「Tactix 7 Pro Sapphire Dual Power」が同じ1.4インチ円形ディスプレイで、解像度が280×280ドットだったことを思うと、表示できる情報量が多くなった=一目で把握できる情報量が増えたことになる。一方で、表示されるフォットサイズが小さくなったために瞬時における視認が困難になっているのではないかと危惧するユーザーがいるかもしれない。
しかし、ディスプレイパネルに有機ELを採用しているおかげで、表示画面が明瞭でコントラストがはっきりしており、ディスプレイサイズと解像度から想像しているよりは格段に見やすい。
実際、評価期間中に地図表示も多用したが、表示されているフォントが視認しづらくてストレスと感じたことは一度もなかった。
ディスプレイ関連機能では、夜間使用に適した「レッドシフト」モードと“暗視ゴーグル装着時”に見やすい「ナイトビジョン」モードを用意している。
レッドシフトモードは、潜水艦を題材にした映画でみる赤色灯をイメージするとわかりやすい。波長の長い光は目に対する刺激が弱く、瞳孔があまり閉じないため、画面から視線をそらした直後でも暗いところの認識が比較的容易で周囲の状況をすぐ把握できる。夜間の野外行動では必須の機能だ。
一方、ナイトビジョンモードのグリーン基調設定も最近の軍事関連ニュース映像で知る人は多いだろう。こちらもディスプレイ輝度が低くなるので夜間使用に適している。実際に使っていても、目への刺激は弱かった。
本体の堅牢性では、表示盤パネルにサファイアクリスタルを採用したほか、ベゼル部分にはチタン、本体部分にはFRPとチタン(底面部分)を用いているため、耐衝撃だけてなく腕時計でありがちな“こすり傷”にも十分耐えられる。チタン部分にはダイヤモンドライクカーボンによるコーティングも施しているので、こちらも傷に強い。
全天候型デバイスに必須の防水性能に関しても、MIL-STD-810準拠の耐衝撃性能、耐水性能、そして、耐熱性能を備えるとしている。
なお、ガーミンでは準拠しているMIL-STD-810の末尾文字やテストレギュレーションの具体的な内容(例えば耐衝撃試験において与えている力の大きさや落下試験における高さ、耐熱試験における温度など)を明らかにしていないが、防水性能に関しては「10ATM」(10気圧防水)と具体的な値を公開している。
シリーズで新たに加わった航空機能もチェックしてみよう。