レーダー
自動車向けには衝突防止などで広く使われ始めているレーダーだが、最近は室内監視とか監視カメラとの連動、ドローンなど幅広い分野で利用されている(Photo08)。
PSS事業部では、このレーダーをPresence Detection(存在確認)用途向けにもっと売り込んでゆきたい構えであり(Photo09)、民生向けには24GHz帯と60GHz帯の2種類をラインナップしている(Photo10)。
実際レーダーチップ自体は非常に小型(Photo11~13)であり、実際動作デモでもレスポンスは良好だった(Photo14)。
60GHz帯ということで検知距離は数メートルの範囲だし、屋外設置(例えば監視カメラと組み合わせて、何かが近づいてきたら撮影を行うなど)には向いていない(そうした用途には24GHz帯レーダーの方が向いているとのこと)。また複数を組み合わせてPhased Arrayを構成するのは難しい(アンテナを外付けにしないといけない)一方、動きの監視などにはむしろ向いているということで、Presence DetectionやMotion Detectionなどの用途に提案してゆくという話であった。
3D ToFセンサー
ToFセンサーそのものは要するに光を照射し、それが対象物に反射して戻ってくるまでの時間を計測する事で距離を測定する仕組みである(Photo15)が、InfineonはこれをほぼVGAサイズで計測できる。
要するに面で距離を測定できる(Photo16)のが強みである。
ToFセンサーそのものは多く存在するが、基本1次元での測定なので、ある程度の範囲を測定したい場合はセンサーそのものを振る形になる(自動運転で利用されるLiDARがこの代表例である)。これに対して3D ToFセンサーでは一回の測定である程度の範囲をカバーできるので、応用が広がることになる。具体的にはPhoto17の様にいくつもの分野で利用用途が考えられる。
実際センサーモジュールはかなり小型(Photo18)であり、それでありながらかなりのフレームレートで距離の測定が可能となっている(Photo19)。
例えばロボット掃除機向けお掃除用マップ作製とかにはこれで十分な精度があり、しかも測定を極めて迅速に行えるが、ToFセンサーが光の往復時間の測定をベースにしている以上、時間解像度がそのまま距離の解像度に直結する関係で、精度は1~2cmオーダーとのこと。なので、例えば3D Scannerなどの用途とか、あるいは物体の表面平滑度の測定などには精度的に難しい。あくまでそこまでの精度が要らない用途向け、という話であった。