豪華キャスト陣の共演、2カ月半にわたるモンゴルでの大規模ロケと、破格の制作費を投入して作ったと言われている本作。福澤監督は「赤字です」と言うが、それでも挑戦した意義があるという。それは、「ドラマ作りのノウハウの伝承」だ。
「TBSは基本的に社員で作る。制作会社にお願いすると予算が管理しやすいですが、作ってきたノウハウがストップしてしまう。作り方は毎回変わりますが、脈々と伝承されてきたものをストップさせないように、TBSが作り続けてきたというのが今になって生きてきたと思います。大型ドラマを社員で作れるシステムがあり、そういうものを大切にしないといけないという心意気があるから今回の作品ができました」
本作ではTBSの宮崎陽平氏と加藤亜季子氏も演出として参加し、福澤監督は後輩たちに自身のノウハウを惜しみなく伝承した。
「将来を背負って立つだろうという宮崎陽平と加藤亜季子の2人を入れましたが、激しいドラマをやればやるほど自信がつく。たぶん彼らは羊3000頭ぐらいいけると思えるけど、ホームドラマしか撮ってない人は絶対考えられない。トラックをぶつけてパトカーをぶっ潰すのも、6台ぐらい用意して、へこんだらトンカチで直せばいいといったノウハウも身についたと思うし、“ドラマは体力だ”ということをわかってもらったと思う。経験しているとどんどん大きなスケールで作れるのでビビらなくなるんです」
■今後世界にも発信!?「まだ言えませんが」
そして、日本のドラマを世界に向けて作っていかなければいけないという強い思いもあった。
「そろそろ世界に向かって出ていかないといけないと皆さん思っているところだと思いますが、誰かが一歩出ないといけないということで今回挑戦しました」
これから世界に向けて発信していく機会があるようで、「世界にウケるかどうかはこれから。まだ言えませんが」と話していた。