――バイトの話になりましたが、お二人は同じバイトをされていたんですか?
タバやん。:15年一緒にバイトしていました。エアコンとかダクトの中に入って清掃するバイトで、去年の12月までやっていました。
益田:現場によって大変さが違うんですけど、『M-1』の敗者復活戦の1週間ぐらい前に2人で入った現場がめっちゃしんどくて。朝方までかかって、終わり際に「もう辞めようか」って。敗者復活戦で爪痕を残せばバイトは辞められると思って。バイト終わって2人でラーメンを食べながら話しました。
――結果そこでお笑い一本でやっていくという覚悟が決まったのでしょうか。
タバやん。:そのときは覚悟というか、バイトしたくないというのが一番デカかったです。これ以上現場に入りたくないなって(笑)
益田:とりあえず敗者復活頑張って、もしダメだったらまたバイトはしなきゃいけないけど、このバイトはもうやめようと。
――そんなにキツいのに15年間もそのバイトを続けた理由は?
タバやん。:効率がめちゃくちゃいいんです。終電から始発まで働いて1万円手取りでもらえて帰れるというのは芸人からしたらありがたくて。
益田:同期や先輩、後輩の芸人も何人か一緒にやっていて、売れて辞めていったり。
タバやん。:空気階段も2人ともやっていたし、オズワルドの畠中(悠)や鬼越トマホークもやっていました。
■抱き続けてきた不安 KOC準優勝も「いまだに不安で仕方ない」
――先ほど、タバやん。さんが「15年かかって約束を守れた」とおっしゃっていましたが、解散危機などはなかったですか?
益田:解散の話が出たことはないですが、個人的にはいつまでやるんだろうというのは常にありました。2人でそれについて話し合ったことはないですが、大丈夫かなというのは常にお互いあったと思います。
タバやん。:ありましたね。触れずにはいましたが。
益田:いつまでやるのかなとか思いながら常々いろんな壁にぶち当たって。めっちゃ面白い人を見たり、全然結果が出なかったりして、そろそろかなと思うんですけど、節目でテレビに出られたり、賞レースで準決勝に初めて行けたり、ちょっとイベントごとがあったので、モチベーションを保てました。
――『キングオブコント』準優勝でやっと大丈夫だなと思えましたか?
益田:いや、まだです!
タバやん。:「大丈夫だな」なんて1回も思ったことはないです。いまだに不安で仕方ないです。
――仕事のオファーが殺到し、年内はもう休みがないそうですが、その状況がいつまで続くのだろうという不安があるのでしょうか。
タバやん。:それもありますね。周りの芸人からは「これでもう大丈夫だな」「安心だな」と言ってもらいますが、「そうなのか?」とずっと謎の状態で。とりあえずいただく仕事は全力でやって、それがつながっていくといいなと思っています。
益田:キングになっていたらしばらくは大丈夫だったのかなと。賞金もありますし。でもキングもどうなるかわからない世界なので。