現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で榊原康政(小平太)を演じている杉野遥亮にインタビュー。クランクアップを迎えた心境から、役作りや共演者とのエピソード、また、本作出演が自身にとってどんな経験になったか話を聞いた。
誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を新たな視点で描く本作。主人公・徳川家康を松本潤が演じ、脚本を古沢良太氏が手がけている。杉野は大河ドラマ初出演にして、徳川四天王の一人、榊原康政役を任された。
クランクアップを迎え「ほっとした気持ちが大きい」と語る杉野。最終日に家康役の松本、本多忠勝(平八郎)役の山田裕貴、本多正信役の松山ケンイチと絡む終盤のシーンを撮影したという。
「クランクアップの日に平八郎と正信と殿と芝居をガッツリやったので、そこから2日間くらいはこの世界観に引きずられている感じがありましたが、今では少し落ち着いてほっとした気持ちもあります。ほかの作品をやりながらも、1年半ずっとどこか頭の片隅に小平太のことがあったので、軽くなったような気持ちがあります」
大河ドラマ初出演での収穫については「今の段階ではわからない」と言うも、得たものは大きいようだ。
「いろんな先輩と出会いましたし、スタッフさんもそうですし、脚本の古沢さんもそうですし、出会いはいっぱいあって、それはすごく収穫だったんじゃないかなと。でも、そういうのは何年後かにつながって形になって見えるのかなと思うので、今この段階ではわからないというのが正直なところです」
■ディスカッションしながら作る大切さを改めて実感
一番印象に残っているのは最終日の撮影だそうで、「この仕事好きなんだ」と改めて感じることができたという。
「『どうする家康』に関しては悩みながら進んでいる感じで、この役をどういう風に表現していこうか考える1年間でしたが、亡くなる1、2年前頃のおじいちゃんの段階を演じたときに自由に楽しくお芝居できて、僕この仕事好きなんだなと思い、すごく楽しかったですし印象に残っています」
そう感じたシーンは忠勝役の山田とのシーンだったそうだが、ほかのシーンでも楽しさを感じたようで、「松本さんもそうですし、いいシーンを作るにあたってコミュニケーションを取りながらできて、醍醐味を感じられてすごくよかったです」と語る。
7月期に放送されたフジテレビ系ドラマ『ばらかもん』で主演を務め、『どうする家康』と並行して撮影していた杉野。最終日は『ばらかもん』のクランクアップ後で、『どうする家康』のみに集中できたことも、より楽しめた理由だと語る。
「あまり器用なほうではないので、ほかの作品と並行して撮影していると、どうしても自分の気持ちが分散してしまうのですが、最終日は『どうする家康』だけという状況がやっと作れて、より楽しむことができました」
話し合いながら作っていく芝居の醍醐味も『どうする家康』の現場で改めて感じたという。
「松本さんも意見をはっきり言う方ですし、松重(豊)さんもよく意見をされていましたが、作品作りの基本ってこれだよなと思いました。自分だけで完結するものではなく、相手もあってのことなので、ディスカッションは大事だなと。よりその大切さをこの現場で感じました」