• 加藤大悟

22歳の1年は、2度目の単独ライブを行う一方、『ヒプノシスマイク』や『刀剣乱舞』など舞台、『タクミくんシリーズ「長い長い物語の始まりの朝。」』では、映画初主演を務めるなど、多方面での活躍が目立った。

「僕はすごく現実主義者なので『どうしてもこれをやりたい!』というものにたどり着くためには、どんなことでもやるべきだと思っているんです。そういう考えをしているうちに、『この仕事はやりたくないな』というものがなくなってしまった(笑)。だって、どんな仕事でも、自分を知っていただくためにはプラスだと思っているので。逆にやったことがない仕事は、どんどんチャレンジしていきたいと思っています」

具体的なジャンルを問うと、まさに全方位での答えが返ってきた。

「僕はアニメが大好きなので、声優さんのお仕事もチャレンジしたいですし、バラエティーも興味があります。もちろん、映像の仕事ももっとやってみたいです」

■ネガティブな気持ちをポジティブに捉えるように

闊達で、どんなことにでも前向きに取り組む印象がある加藤。しかし「やりたい!」と前のめりになる一方で、新たなことに向き合う際には、かなり自身でアイドリングが必要だというのだ。

「僕は自分に対して、めちゃくちゃネガティブな人間なんです。小学生の頃から自分に自信がなく、すぐに相手と自分を比べてしまって、ダメなところを探してしまう。だから、何かを始めるときって不安がすごく大きいので、意識的にエンジンをふかしてからいかなと前に進めないんです」

エンターテインメントの世界は、とかく人と比較し評価される世界。しんどいこともあるのではないだろうか――。

「確かにそういう世界ですよね。でも人と比べることで自信もなくしてしまうこともありますが、足りないところに気づけて、自分を鼓舞することができる。例えば『あの人格好いいな、スゲーな』と思うと、落ち込みますが、どうやったらああなれるんだろうってプラスに気持ちを持っていくこともできるじゃないですか」

他人と比較し、落ち込むことをネガティブに捉えず、前に進むためのガソリンにするという考え方。転んでもただでは起きない。

「ネガティブな気持ちって、詩を書くときには大切な感情なんですよね。やっぱり多くの人が自分に対して劣等感があったり、うまくいかなかったりということって多いじゃないですか。また役者としても、そういう感情って大切だと思うんです。だからネガティブな気持ちを持つことをポジティブに捉えています」