20年という年月を重ね、「昔は取材交渉しても『どんな番組なんですか?』と言われることが多かったですが、最近は説明しなくても分かってくれる人が出てきまして、それはうれしいですね」と、番組の認知度は大きく向上。日向坂46の富田鈴花が、テーマ曲からナレーションまでの本気ものまねを番組で披露したのもチェックしており、そこからも実感しているそうだ。

宮本氏はこれまで、『ぶらり途中下車の旅』『火曜サプライズ』など、街ブラ・旅番組も担当してきたが、『音のソノリティ』での経験がそれらの番組で生きることがあるという。

「旅番組は風景と会話があれば全然成立するんですが、山の中で音声さんがマイクを下に向けて、歩いている音を録ってるんです。こうやって、どこを歩いているかという雰囲気を音で作ってるんですよね。他にも、遠くの人と会話しているときに、音でもうまく距離感を作っていたりしていて、映像のテイストの中で音というのが重要な役割を果たしていることに、気づかせてもらいました。とはいえ、テレビは画が主流ですから、なかなか音が主役になることはないんですけどね」

■過去の名作100本をホームページで公開

1,000回目の放送に登場する鬼首温泉の間欠泉 (C)日テレ

最近は番組編成の見直しで、このような“ミニ番組”の枠が減少傾向にもあるが、「番組がスタートするときに、J-POWERさんが『“世界の車窓から”を超えるまで続けたいですね』とおっしゃってくれていたので、これからも頑張っていきたいです」と意欲。

記念すべき1,000回の放送は、鬼首温泉(宮城・大崎市)の間欠泉が登場する。この収録も一筋縄にはいかなかったそうで、「天候やその日の調子によって、全然噴出しないこともあるんです。今回のディレクターは、2~3時間粘って撮影できました」という賜物だ。

この1,000回突破&20周年を記念して、10月1日の放送後に番組ホームページをリニューアル。これまで放送した中から47都道府県を網羅した100本を厳選し、地図から選ぶと本編の映像を視聴できるようにする。出演者にタレントがおらず、権利処理が比較的容易であることからも実現できたもので、今後は毎週放送後にその回を追加していく予定となっている。