写真集では、兼近が日常の中で感じたことを書き留めていたものも、自由律俳句として掲載されているが、芸人を目指して東京に出てきた頃から、日々感じたことを記録し続けているのだという。
「『はじめの一歩』という漫画で、24時間ずっとボクサーであることを自覚しろという言葉があるんです。強くなっている人たちはみんなそうしていると。僕はその言葉が好きで、24時間芸人だということを自覚して日々メモるようになりました。面白くなるためにやっていることで、面白い角度で物事を見て書くというのを意識しています」
■待ち受けには直筆の言葉「24時間芸人であることを自覚する」
兼近の携帯の待ち受けには、「24時間芸人であることを自覚する」という直筆の言葉が。メモを始めた時期と同じく、芸人を目指した頃からずっと待ち受けにしているという。そして、書き続けていることは間違いなく芸人としてプラスになっていると断言する。
「もう10年ぐらいやっていますが、一般人では言えないような面白いことを言えるようになりました(笑)。面白いワードを考えたり、どこかで使えるエピソードをまとめたり、それが10年分たまっているので、間違いなく鍛えられていると思います。ご飯を食べたり遊んでいるときでも、ひらめいたことや、その場で起きた面白いことをメモっているので」
いまやお笑い芸人の枠を超えて、歌手や作家、俳優など、幅広い活躍を見せている兼近。だが、自身は「ずっと同じところにいる」と感じる瞬間があるそうで、さらなる挑戦を欲している。
「テレビにたくさん出させていただくようになって、ずっと同じところにいるなと。テレビばかりに出ていて面白い人になれるのかと思うことがあるので、新しいことを始めないダメだなと思っています。いろいろやらせてもらっていますが、まだ足りない。でも、ある程度やってしまったので、どうしようかなと(笑)。まだわかりませんが、テレビの世界だけではなく、いろいろな面白い挑戦をしていきたいと思っています」
そして、芸人として幸せを感じる瞬間は、「笑ってもらったとき」だと言い、「何か大きい成功を得たいというより、日々の活動で笑ってもらえたときに幸せを感じます」とにっこり。
さまざまなメッセージが詰まった写真集『虚構』。兼近は「めちゃくちゃ真面目な話をしちゃいました(笑)」と照れ笑いを浮かべつつ、「今の兼近の全部を詰め込んだアルバムなので大切にしてください」とファンにメッセージを送った。
1991年5月11日生まれ、北海道出身。東京NSC19期生。2017年にりんたろー。とお笑いコンビ・EXITを結成し、“渋谷系チャラ男漫才”という独自のスタイルでブレイク。2020年にファッションブランド「EXIEEE」を立ち上げ、2021年にはアーティストデビューするなど、幅広く活躍。個人では、2021年に初小説『むき出し』を刊行。2023年に『ホスト相続しちゃいました』(カンテレ・フジテレビ系)で初の地上波連ドラレギュラー出演。8月18日に1st写真集『虚構』を発売した。12月10日に東京ガーデンシアターで過去最大規模となるEXITの単独ライブ「チャランの園 1億年と2千年たっても笑わせる~カネチ&リンと林檎かじり散らかしてアチャーな新人類創生計画ブッカマ!!~」を開催する。