りんたろー。とEXITを結成してから人気が爆発。多くのレギュラー番組を抱えるコンビとなったが、面白くなりたいと思って芸人になったのに、そうではないことも求められると知り、葛藤もあったと打ち明ける。
「テレビに出るようになったら、『かっこいい』と言ってもらえるようになって、そういう求められ方もするんだと。かっこいいとされてしまったら、面白くはない。そこは直結しないので。そこから、面白くないことでも求められたらやるしかないと思うようになりました」
写真集も、面白さを追求するものではない活動の一つ。
「最初の頃は面白いこと以外をやるつもりはなかったですが、違う求められ方もすると知ってから、面白いこととかっこいいことを切り分けて考えるようになりました。かっこいいのを見たい人がいるのであれば、それも全力でやろうと。写真集は、かっこいいだけをお届けするという、まさに虚構です(笑)」
■「真実は寝ているときぐらいになるのかもしれません(笑)」
芸人として活動している中で、虚構とリアルはどう使い分けているのだろうか。
「番組によってはただかっこつけているだけのときもあるので、それは虚構です。でも、ふざけているときが真実なのかと言われたら、それもわからない。仕事として面白いことをしたいと思ってやっているので。そう考えると、真実は寝ているときぐらいになるのかもしれません(笑)。誰もが何かしらの仮面をいつもかぶっていると思いますし」
昔から真実を見抜こうと意識してきた兼近だが、芸能界に身を置いてからその大切さをより感じているという。
「何か報道が出たときに、それだけを見て叩く人がいますが、それは危ないなと。真実を知ろうとしないで、一部だけで判断する社会にどんどんなっている気がします。冗談半分で流された情報を簡単に信じてしまったり、すごく危険だなと感じているので、真実を見極める力が大事だなと思います」
芸人として活動している中でも、うわべだけで判断されることがあるという。
「ボケで言ったことを真実として捉える人もいて、俺がふざけて言ったことに傷ついてしまうことがある。その奥の真実を見てくれたらいいのにと思うことはあります」
写真集の最後のページに掲載されている、「事実は一つ。真実は人の数だけある。」という直筆メッセージには、兼近の強い思いが込められている。