――『千鳥の鬼レンチャン』の今後のレギュラー放送へ弾みになる手応えもあったのではないでしょうか。

弾みになることを切に願ってます。『鬼レンチャン』自体の認知度が高まったと思いますし、ほとんどの視聴者の方々が「『鬼レンチャン』=カラオケ」だったと思うので、『27時間テレビ』で『400mサバイバル』や『大縄レンチャン』ができたことは非常に大きいです。『FNSスゴ技鬼レンチャン』も、レギュラー番組に何かしらフィードバックしたいですね。

あとは、ほいけんたさん、徳永ゆうきさんをはじめとする多数の歌手が今回出演されたので、『27時間テレビ』を振りにして彼らの物語がまたできるだろうなと思います。タッグモード大会への出演を惜しくも逃した方々の「27時間テレビで流れていると信じてやまない」挑戦の模様は、8月27日の3時間SPで放送予定です。

――OA終了直後が特にそうだったのですが、SNSの感想を見ていると、「最近はサブスクばっかりでテレビなんか見る機会減ったけど、久しぶりにテレビ見たって感じ」「久々にテレビから離れたくないと思えた」といった声がすごく多かったんです。テレビマンして意地を見せられたという思いは、ありますか?

いやいや、僕はそんな大それたことを一切思わない人間なんで。でも、結果的にそう思ってくれた方が多数いたというのは、めちゃくちゃうれしいですね。僕はただ『千鳥の鬼レンチャン』をベースに、「MC6人の面白さが出ればいいな」と思って構成しただけですし、ラスト4カ月は収録のたびにMC6人と打ち合わせをして、全員から意見を頂きながら確認作業を繰り返した感じです。MC6人が普段の面白さに加えて生放送のスイッチを上手く入れたからこその反響だと思いますし、『耐久フィナーレ漫才』で見せた漫才師としての真骨頂が何より大きかったと思います。

  • 『耐久フィナーレ漫才』より (C)フジテレビ

――TBSの藤井健太郎さん(『水曜日のダウンタウン』)が「なんだか久々に楽しいテレビが戻ってきた感じがしました」、日テレの横澤俊之さん(『有吉の壁』)が「テレビってやっぱり、楽しくなければテレビじゃないですよね。凄く刺激をいただきました!」とツイートされていたり、他にもテレ東の板川侑右さん(『勇者ああああ』)や元テレ朝の芦田太郎さん(『あざとくて何が悪いの?』)など、他局を含めた制作者の皆さんが今回の『27時間テレビ』の感想を投稿されていて、テレビ界全体にも良い影響を与えているなと思いました。

そう言っていただけるのは、今後の励みになりますね。他局の方々以外にも、20代の頃から制作者として育てていただいた明石家さんまさん、くりぃむしちゅー上田さんからも「頑張ったな」「フジテレビらしい27時間テレビだった」とお褒めの言葉を頂いて、この上ない喜びでした。有田(哲平)さんは、『ナゾトレ川柳』の生放送後に「もう一息! 最後まで頑張って」と激励の言葉をわざわざLINEでくださって。これまでの制作人生でお付き合いさせていただいた方々の支えあっての『27時間テレビ』でした。

(※1)…「テレビが一番元気だった時代をけん引してきた」と豪語する伝説のTVプロデューサー。これまで、『お昼もっ。シナモンロール』『TVなお気持ち』『台本無用、さあ広げろ!』など、数え切れないほどのヒット番組を手掛けてきた

(※2)…『27時間テレビ』総合司会のかまいたち・濱家隆一のもとに、濱家とNHKの音楽番組『Venue101』の司会を務める生田絵梨花が生登場。局の垣根を越えて、濱家&生田のユニット“ハマいく”による生「ビートDEトーヒ」を披露した

●武田誠司
1977年生まれ、福岡県出身。01年フジテレビに入社し、『トリビアの泉 ~素晴らしきムダ知識~』ではADを担当しながらVTRにたびたび登場。これまで立ち上げた番組は、『ホンマでっか!?TV』『ペケ×ポン』『千鳥の鬼レンチャン』『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』 『さんまの東大方程式』『有吉ダマせたら10万円』『イタズラジャーニー』など。現在は『千鳥の鬼レンチャン』の総合演出・プロデュース、『ホンマでっか!?TV』のチーフプロデューサーなどを務める。