レッツノート QRシリーズは、モデルによって搭載するプロセッサが異なっており、上位モデルの「CF-QR4BFPCR」が12コアのCor i7-1360P、ベースモデルの「CF-QR4ADMCR」と「CF-QR4ADTCR」が10コアのCore i5-1335Uとなっている。下位2機種の違いはOfficeの有無で、搭載するメモリやストレージ容量などに違いはない。
今回はOfficeが搭載されていないベースモデル「CF-QR4ADTCR」を試した。主なスペックは次の通り。
試用機の主なスペック
CPU | Intel Core i5-1335Uプロセッサ(2Pコア、8Eコア、最大4.60GHz) |
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グラフィックス | インテル Iris Xe グラフィックス(CPU内蔵) |
メモリ | 16GB LPDDR4x SDRAM |
ストレージ | SSD 512GB(PCIe Gen4) |
駆動時間 | 約16時間(標準バッテリ)、約9.5時間(軽量バッテリ) |
これらのパフォーマンスをチェックするため、「CINEBENCH R23」「PCMark 10」「3DMark」「CrystalDiskMark」などのベンチマークソフトでスコアを測ってみることにした。
まず、CPUの性能を測る「CINEBENCH R23」は、次の結果になった。
CINEBENCH R23 | |
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CPU(マルチコア) | 8680opts |
CPU(シングルコア) | 1667pts |
Core i5-1335Uはモバイルノート向けの省電力性を重視したプロセッサだが、前世代の上位モデル、Core i7-1260Pに近いスコアが出ている。普段使いや文書作成などには十分すぎる性能で、写真編集などのクリエイティブ用途も快適にこなせる性能はあると期待できる。
そこで、PCの総合的なパフォーマンスをチェックするため「PCMark 10」も実行してみた。
PCMARK 10 | |
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総合スコア | 5320 |
Essentials | 10556 |
Productivity | 6562 |
Digital Content Creation | 5898 |
快適に動作する目安は、基本性能を示すEssentialsが4100、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450となっているが、本製品はいずれも大きく超えている。普段使いやビジネス用途だけでなく、画像編集などのクリエイティブ用途もある程度快適に行えることがわかる。
次に、グラフィックス性能のテスト「3DMark」では次の結果になった。
3DMarkスコア | ||
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テスト | 総合スコア | グラフィックススコア |
Time Spy | 1516 | 1334 |
Fire Strike | 4268 | 4574 |
Night Raid | 16082 | 18315 |
CPU内蔵グラフィックスということもあって、それほどパフォーマンスが高いわけではないが、ちょっとした動画のエンコードや画像編集には十分な性能ではある。外付けの高解像度ディスプレイをつないで使ったり、オンライン会議でバーチャル背景などを利用する際も画面描画がカクカクすることなく快適に利用できるはずだ。
続いて「CrystalDiskMark」でストレージの性能も測ってみた。
CrystalDiskMark | |
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1M Q8T1 シーケンシャルリード | 6475.48 |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 4710.46 |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 3678.70 |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 2899.41 |
4K Q32T1 ランダムリード | 409.23 |
4K Q32T1 ランダムライト | 323.40 |
4K Q1T1 ランダムリード | 81.02 |
4K Q1T1 ランダムライト | 127.75 |
PCIe Gen4対応のSSDを搭載しているだけあって、シーケンシャルリードは6,500MB/s前後と非常に高速。実際、データの読み込みやアプリの起動などもあまり待たされず作業できた。
バッテリーはスペック表だと約16時間駆動(JEITA2.0)となっている。そこでPCMARK10のバッテリーライフテストのうち、業務での使用を想定した「Modern Office」を実行して実際にどのくらい持つか計測してみた(なお、今回は電源モードを「バランス」、画面の明るさを50%に調節した状態でテストしている)。
その結果、11時間44分の駆動が可能だった。これだけ持てば、通常はACアダプターを一緒に持ち歩かなくても問題なさそうだ。出先では文書編集などの軽い作業しか行わないという人なら、別売の軽量バッテリーでも十分だろう。バッテリーが簡単に交換できるのもレッツノートの魅力的な特徴のひとつだ。
安くはないが、幅広いシーンで活躍できる2in1 PC
360度回転するタッチ操作対応ディスプレイを搭載したパナソニックの2in1 PC、レッツノートQRシリーズ。アスペクト比3:2の12.4型液晶パネルはビジネス用途に使いやすく、オフィスでの業務もモバイルワークも快適にこなすことができる。
第13世代Coreプロセッサを搭載したことで高いパフォーマンスと長いバッテリー駆動時間を両立しており、外回りの仕事など出先で使う機会が多い人にとっては特におすすめできる製品だ。
Officeなしのベースモデルで341,000円(税込)と決して安くはないが、性能のバランスのよさや筐体の頑丈さ、バッテリー交換が容易なメンテナンス性の高さ、国内メーカーならではの充実したサポート体制などを考えれば、十分納得できる価格ではある。信頼性が高く使い勝手のよいノートPCを探している人には、ぜひ注目してほしい製品だ。