レッツノートQRはコンバーチブル型の2in1 PCで、ディスプレイが360度回転する構造になっている。画面を開く角度に応じて、クラムシェル、スタンド、テント、タブレットなどのさまざまなスタイルで使用することが可能だ。
実際に試してみたが、ヒンジの動きはスムーズで、止めた角度でしっかり固定されるため、膝の上や手に持った状態のような不安定な体勢でも比較的安心して使うことができた。
アスペクト比はA4の縦横比に近い3:2
ディスプレイは、サイズが12.4インチ、アスペクト比が3:2で、解像度はFHD+(1,920×1,280ドット)となっている。
一般的なFHD(1,920×1,080ドット)に比べて縦の情報量が多いため、Web閲覧や文書作成がしやすいのがメリット。ビジネスシーンで多用されるA4の縦横比にも近いため、文書や資料の全画面表示が見やすく編集しやすかった。電子書籍や電子コミックなども見開きにした際にムダな余白が出にくいため、サクサク読み進めることができた。
ちなみに、アスペクト比が3:2の12.4型ディスプレイは、アスペクト比が16:9の14型ディスプレイと縦の長さがほぼ同じ計算になる(どちらも17.4cm前後)。そのため画面の横のスペースが余りがちな作業(文書編集やメール作成、Web閲覧など)の場合は、筆者が普段使っている14型と比べても見やすさや生産性に大きな差はなく、快適に作業できた。
液晶パネルは光沢タイプでタッチ操作にも対応している。映り込みはそれなりにあるが、黒の締まりがよく、色再現性も良好。また視野角が広くて斜めから見ても色味の変化が少ないため、ディスプレイを180度開いた状態でも画面が見やすい。取引先との打ち合わせや商談で画面を見せて情報を共有したいときなどに便利そうだ。
お馴染みのリーフ型キーボード、配列は慣れも必要
キーボードはレッツノートお馴染みのリーフ型のキーを採用している。キーピッチが19mmあり、キーストロークも十分確保されているためタイピングはしやすい方だが、縦のピッチが15.5mmと少し狭いため多少の慣れは必要だ。
タッチパッドもレッツノート伝統の円形ホイールパッドを採用している。スクエアなタッチパッドに慣れていると一瞬戸惑うが、使い勝手に大きな差は感じなかった。むしろ円の外周をクルクルしてスクロールできるなど、この形状ならではの機能もあり、慣れると手放せなくなりそうでもある。クリックボタンが独立して設けられており、ドラッグ&ドロップなどのボタンをホールドする操作がしやすいのも好印象だ。
モバイルワークに便利な機能を多数搭載
モバイルワークやテレワーク時に気になるのが、セキュリティ対策やオンライン会議での使いやすさ。レッツノート QRには、そのための機能が数多く搭載されている。
ディスプレイ上部にはフルHDで撮影可能な約207万画素の顔認証対応カメラとマイクが内蔵されており、オンライン会議やビデオ通話などに利用することができる。またパームレスト部には指紋センサーも搭載されており、顔認証以外に指紋認証でのログインも可能だ。
AIセンサーも搭載されており、PC前の人物を検知して画面の状態を自動で制御する。例えばユーザーがよそ見をしたときに自動で画面を暗くし、電力の消費を抑える役に立つほか、離席時にPCを自動でロックしたり、逆にPCの前に戻ってきたときに自動でスリープ解除するようなこともできる。
ユーザー以外の顔を検知したときにポップアップアイコンで注意を促してくれたり、画面をぼかして覗き見を防ぐような使い方にも対応する。
このほか、オンライン会議のときに顔の位置が映像の中央に来るよう補正してくれたり、背景をぼかして部屋の状況が相手に分かりにくくしてくれるようなこともできる。明るさを補正して顔の表情を見えやすくしてくれる機能もあるので、光の状態を選べない場所で使う場合も安心だ。
音声に関しては、オンライン会議の人の声を聞き取りやすくする「COMFORTALK(コンフォトーク)」が搭載されている。これは、本体底面の高音質な「ボックス型スピーカー」と、声の周波数帯の音圧をアップするソフト「Waves MaxxAudio」、ノイズを除去して声を聞き取りやすくする「AIノイズ除去」の3機能からなる技術。
実際に試してみたが、キーボードのタイピング音や車の走行音、家電のノイズなどもしっかり抑えて、こちらの声をはっきり相手に伝えることができた。また内蔵スピーカーでも相手の声がくっきり聞き取りやすかった。これならオンライン会議のたびに環境ノイズを気にしてヘッドセットをつける必要はなさそうだ。