細魚(木山裕策)

――『鬼レンチャン歌謡祭』では、木山裕策さんがなぜ「細魚」(※5)と呼ばれているのか説明がないので、SNSでは混乱してる視聴者もいました(笑)

『千鳥の鬼レンチャン』を普段見てない方々をどこまでケアしようかと当初悩みましたが、視聴者が見たいのは“説明”ではなく“歌唱”なので、必要以上の説明を省いた形ですね。僕ら作り手はもちろん視聴者の方々に見てもらわないとダメなんですが、意識するあまり、要らない部分が冗長になってしまうことがあるので、それはやめようと。

BENIさんと細魚さんの「ふたりの愛ランド」では、“細魚さんの昇降台が上がりきらずに頭しか見えない遊び”をしましたが、前日の21日のリハーサル映像を大悟さんに送ってチェックしてもらうという念の入れようで、歌のプロ集団と大悟さんが組むとこんなにも面白くなるんだと感心しきりでしたね。

――『鬼レンチャン』でスタジオとチャレンジャーが絡まないスタイルを、『歌謡祭』でも踏襲されていましたね。

『鬼レンチャン』自体が、VTRの事象を千鳥さんとかまいたちさんが美味しく料理する構造なので、そこはいつも通りやらせていただきました。客観的な視点からのワイプいじりはもちろんですが、徳永ゆうきさんと山内(健司)さんの「ROSIER」、りんごちゃんと濱家(隆一)さんの「ビートDEトーヒ」など、別スタジオにいるからこその面白さを提供できたと思います。

■マラソンランナー・実況に徹底した「真剣勝負」

――『100kmサバイバルマラソン』もそうでしたよね。倉田(大誠アナウンサー)さんが、本当に真剣勝負のスポーツ実況をしている一方で、ワイプで面白いポイントを見つけて笑いにしていく構図になっていました。

あの企画もいつも通りですね。担当Dを通してランナーの皆さんには「とにかく真剣にやりましょう」とお願いしましたし、千鳥さんとかまいたちさんは画面の中で必ず笑いの起点を見つけてくれるので、画面のランナーや実況はふざけないようにと。倉田には「箱根駅伝の実況をやるつもりで真面目にやって」とお願いしました。

――あそこまで多くのランナーが完走するいうのは、予想以上だったのではないでしょうか。

事前のメディカルチェックからトレーニング含めてかなりの日数をかけて臨みましたけど、本番で彼らがどこまで走れるかは正直読みきれなかったですね。当日の天候にも左右されますし、何よりあそこは緩やかな坂道があるので。

スタッフがトレーナーの方と綿密に打ち合わせをして10kmごとの休憩時間(※最終的には95km地点でも休憩)やペースメーカーの速度を決めていきましたが、ランナーの皆さんからは、“自分のペースで(速く)走れないことが何よりの負担”という声が上がっていたので、最後の3kmであれだけの人数が残っていたのは驚きました。

優勝したハリー杉山さん、最後まで競ってくれたワタリ119さん、賞金のために走る様を表現してくれた団長(安田大サーカス)、女性として唯一完走された井上咲楽さん、事前練習以上の奮闘を見せてくれた大倉士門さんはバラエティの域を超えた姿でした。

  • “ぽかぽかポーズ”の山本賢太アナ

ヤマケン(山本賢太アナ)も頑張りました。彼は本当に“ぽかぽか愛”が強くて。「優勝して1,000万円獲ったら『ぽかぽか』に還元したいです」と、強い意志を持って走り切った彼には、後輩ながら頭が下がる思いです。