豆山氏のバランス感覚を頼りにする一方で、好井には「『これ言っていいんかな?』っていう話題でも、ラジオではできるだけフィルターを薄めにしたいというか。オードリーの若林さん、伊集院(光)さんもテレビに出てる姿とは違う一面を見られるのがラジオの魅力じゃないですか。『今なに』でも僕、豆山氏、筒井護衛とリスナーの4人で雑談してるくらいのノリでいたい。雑談って結構悪口も多いし、たまに担任の吉田さんが見回りにきたときに、『何も言ってません。今もう寝るところでした』ってスンとする関係性でいるほうがいいんかなって思いますね」と、修学旅行の夜を思わせるようなラジオにしたいというこだわりもあるそうだ。

なお収録中には、自身と豆山氏、筒井氏の関係性をバンドに例え、「筒井氏がボーカルで、ELTで言ったら、持田香織さん。俺が伊藤さんで……」と当てはめた好井。副調整室でこの例えを聞いた吉田プロデューサーが「それだと後々一人脱退しちゃうけどね」と淡々とツッコミを入れていたのだが、取材中、次の会議があるからと先に取材を抜ける豆山氏に、好井が「『今なに』とその会議どっちが大切やねん! でも先に決まってた会議なら仕方ないよな。気持ちはここに置いていってくれよ」と詰め寄るやり取りもあり、笑ってしまった。

また、好井の素を見せるトークを後押しした筒井氏は、『今なに』がスタートするきっかけを作った張本人。「高校生の頃から仲がいい先輩に誘われて、好井さんのトークライブに2回くらい行かせてもらっていたんです。そのときから『好井さんのトークって面白いよね』って話していたら、その先輩から『好井さんがラジオをやりたいって言ってるよ』って、好井さんとパンサー・向井さんの対談動画のURLが送られてきて。動画を観て、すぐに企画書を書きました」(筒井氏)と、自身もまた好井のトークに魅了された一人なのだという。

実は、『N93』は芸歴15年以内の若手芸人が対象だったのだが、好井は“ピン芸人としては1年目”という特例でパーソナリティに選ばれたという背景も。筒井氏の話を聞き、好井は「その企画を吉田さんが通してくれたんですよね。もう2人ともおかしいです。芸歴15年超えてるのにオーバーエイジで入れてくれるっていう(笑)。いろんな縁にも恵まれてるんですよね。うれしいなあ」と改めて感じ入っていた。

■プロフィール
好井まさお
1984年4月27日生まれ。大阪府枚方市出身。NSC東京校を卒業後、2007年に井下昌城(現 井下大活躍)とお笑いコンビ「井下好井」を結成。2009年、『M-1グランプリ』準決勝に進出。2017年、フジテレビ系バラエティ番組『人志松本のすべらない話』でMVSを獲得した。俳優としても活躍しており、主な出演作にドラマ『火花』(16・Netflix)、『小さな巨人』(17・TBS系)、映画『ザ・ファブル』(19)などがある。2022年12月31日をもって、井下好井を解散。現在はピン芸人として、3つのYouTubeチャンネル『好井&カナメクト』『好井まさおのトークを浴びる会』『好井まさおの怪談を浴びる会』を運営するほか、TBS Podcast『N93 好井まさおの「今、何してる?」』でパーソナリティを担当している。