『THE HEAD』(2020)で海外ドラマ初出演を果たし、海外でも着実に活躍の場を広げている山下。全編英語の役を演じたり、海外での取材会で通訳なしで対応したり、勉強を重ねてきた英語を存分に生かしている。
海外に対する興味は、子供の頃にすでに芽生えていたという。
「同じ年齢くらいのアメリカ人の親戚が夏休みによく遊びに来ていて、土足で家に入ってくるなどカルチャーの違いに衝撃を受け、いつか自分も違うカルチャーを見てみたいと興味を持つようになりました」
そして、芸能界に入って海外のエンターテインメントにも触れる中で、より具体的に海外で活動したいと考えるように。「新しい世界を見たい」という好奇心はずっと続いている。
ワールドワイドに活躍する中で変わったことを尋ねると、「肩の力が抜けた」と告白。「それまでは気を遣いすぎていて、いい意味でも悪い意味でも型にはまっていた自分がいましたが、とらわれなくていいと思うようになりました」と語る。
はっきりと本音を言う外国人と接する中で、力を抜けるようになっていったのだという。
「日本だと『疲れてないですか?』と聞かれたときに、少し疲れていてもみんな『疲れてないです』と答えますが、外国人は『疲れた』『疲れているけどやるしかない』と正直に答える。そういう姿を見て、肩肘張らずリラックスできるようになってきたのかなと思います」
本作の主人公・真治は視力を失うことで人生のどん底を味わう。山下にとっての“どん底”経験を尋ねると、「挫折はいっぱいありますよ。数えきれないです」と言い、「ずっと男性社会で生きてきたので競争が激しく、大変な挫折を何度も経験しながら、立ち上がるたびに強くなっていると思います」とたくましい。
その強さはマイケル・ジョーダンの生き様から影響を受けているようだ。
「NBAで一番成功した人はマイケル・ジョーダンですが、実は一番失敗した人もマイケル・ジョーダン。それだけ一番シュートを打った人が成功に近いということで、挫折しても何回でも立ち上がると成功に近づくという哲学を教えてもらった気がしていて。失敗は成功するための試練だと思うようにしています」